◎オランダとトルコの関係は冷え切っている。
トルコ外務省は24日、オランダでイスラム教の聖典コーランを侮辱するデモが行われたことを受け、駐オランダ大使を召還・抗議したと発表した。
2015年のシリア難民危機の最中に発足したイスラム嫌悪の反移民団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA、ペギーダ)」のリーダーとされる男性は22日、首都アムステルダムの連邦議会近くでコーランのコピーを破り、踏みつけるパフォーマンを行った。
地元メディアによると、デモ会場周辺に配備された警察官はコーラン踏み付けを見ていたが、介入しなかったという。
この男性は地元紙の取材に対し、「これは表現の自由であり、オランダではコーランを踏みつけたり、焼いたりすることができる」と語った。
このデモに参加したというツイッターユーザーはコーランを「国際テロ組織アルカイダの規則」と呼び、「この世から排除せよ!」と投稿。イスラム教徒の怒りを煽った。
トルコ外務省は声明でこのデモを「卑劣な攻撃」と呼び、「欧州におけるイスラム恐怖症、差別、外国人嫌いを示すものである」と指摘した。
同省は駐オランダ大使に抗議したうえで、今後同様のデモを許可しないための具体的な予防策を講じるよう求めた。
また同省はペギータに「必要な措置」を取るよう要請した。
オランダとトルコの関係は冷え切っている。
2017年、オランダ政府は同国のトルコ人コミュニティが行っていた住民投票キャンペーン(抗議デモ含む)を禁じ、トルコ政府の怒りを買った。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は当時、オランダをナチスに例え、大使を帰国させた。
スウェーデンの首都ストックホルムで21日行われた反トルコデモではコーランのコピーが焼かれた。
エルドアン氏はスウェーデン政府を強く非難し、「スウェーデンのNATO加盟は期待できそうにない」と警告した。