◎バイデン氏の自宅に機密文書が持ち込まれた経緯や、機密文書の内容がどのようなものだったのかは明らかになっていない
2023年1月12日/米ワシントンD.C.司法省ビル、ガーランド司法長官(右)とシカゴの連邦検事(Manuel Balce Ceneta/AP通信)

米国のバイデン(Joe Biden)大統領は12日、自宅から副大統領時代の新たな機密文書が見つかったと発表した。

これを受け、司法省のガーランド(Merrick Garland)司法長官は同日、この問題を調査する特別検察官を任命すると発表した。

ガーランド氏は元検察官であるロバート・ハー(Robert Hur)氏を任命すると表明。文書が見つかった経緯について説明した。

バイデン氏の自宅に機密文書が持ち込まれた経緯や、機密文書の内容がどのようなものだったのかは明らかになっていない。

時系列は以下の通り。

▽11月4日: 国立公文書館が司法省に連絡。バイデン氏がオバマ政権時代に使用していた個人オフィスから分類記号のついた機密文書が見つかり、同館にその旨を通知したと報告。

▽11月9日: 連邦捜査局(FBI)、機密情報がバイデン氏の個人オフィスに保管されていた経緯の調査を開始。

▽11月14日:ガーランド氏、イリノイ州北部地区の連邦検事であるラウシュ氏に初期調査命じる。

▽12月20日:バイデン氏の個人弁護士、デラウェア州ウィルミントンの自宅ガレージで分類記号のついた別の機密文書が見つかったとラウシュ氏に報告。文書はまもなくFBIの管理下に置かれた。

▽1月5日:ラウシュ氏、ガーランド氏に特別検察官の任命とさらなる調査が必要と進言。ラウシュ氏はその後も調査を続け、司法省はハ-氏を特別検察官に指名した。

▽1月9日:現地メディア、ガーランド氏が機密文書の調査をラウシュ氏に命じたと報道。ホワイトハウスはバイデン氏の個人弁護士が個人オフィスの鍵のかかったクローゼット内に保管されていた少数の機密文書を発見したと発表した。

▽1月10日: バイデン氏、記者団に対し、個人オフィスに機密文書が保管されていたことに驚いていると述べ、文書の内容は知らないと説明した。

▽1月12日: バイデン氏の個人弁護士がラウシュ氏に電話かける。デラウェア州ウィルミントンの個人邸で分類記号のついた新たな機密文書が見つかったと報告。

▽1月12日: バイデン氏の個人弁護士、声明でウィルミントンの個人邸で少数の分類記号のついた文書が発見されたと報告。デラウェア州リホーボスビーチの自宅からは何も発見されなかった。

▽1月12日:ガーランド氏、ハー氏を特別検察官に任命する命令に署名。この決定について国民に説明した。

▽1月12日: ホワイトハウス報道官、ABCニュースの取材に対し、「ホワイトハウスはガーランド氏が特別検察官を任命するという通知を受け取っていなかった」と説明した。

ガーランド氏は記者会見の中で、「本件は異常事態に分類され、特別検察官の任命が必要と判断した」と語った。

バイデン氏は12日、司法省の捜査に全面的に協力すると声明を出した。

バイデン氏は声明の中で、「私の弁護士は私の副大統領時代の文書が保管された場所などを調べ、昨夜その調査を終えた」と述べている。

トランプ(Donald Trump)前大統領もフロリダ州の邸宅マー・ア・ラゴに機密文書数百件を保管し、政府による回収の試みを妨害した疑いで別の特別検察官の捜査を受けている。

2023年1月11日/米ワシントンD.C.ホワイトハウス南庭、バイデン大統領(Susan Walsh/AP通信)
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