◎税関は押収した薬物について、アンフェタミン系の薬物「カプタゴン」と報告している。
ヨルダン当局は25日、イラク国境でアンフェタミン錠剤約600万錠を押収したと発表した。
錠剤は冷凍貨物車内に隠されていた。
税関によると、1回当たりの摘発量として過去最大規模だという。
税関は押収した薬物について、アンフェタミン系の薬物「カプタゴン」と報告している。
カプタゴンは「貧乏人のコカイン」と呼ばれ、サウジアラビアやシリアなどの湾岸諸国で人気を集めている
シリア内戦でもカプタゴンが出回り、多くの戦闘員が恐怖心を薄れさせるために摂取したと伝えられている。
ヨルダン当局によると、多くのシリア人がカプタゴンの取引に関わるようになったという。取引価格はまちまちだが、多くが高値で取引されているようだ。
シリアのビジネス界や軍の有力者もカプタゴンの密輸に関わっていると疑われている。
カプタゴンは1960年代初頭にドイツで特許を取得した薬剤の商品名で、フェネチリンというアンフェタミン系の興奮剤を含み、注意欠陥やナルコレプシー(強い眠気に襲われる、眠ってしまう病気)などの治療に使用されてきた。
アンフェタミン系錠剤はサウジやシリアだけでなく、ヨルダンやレバノンなどでも取引されている。
ヨルダン税関は逮捕者などの詳細情報を公表していない。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、2021年に取り引きされたカプタゴンの市場価値は約35億ドルに上ったという。
ヨルダン当局は麻薬密売組織を積極的に取り締まっているが、組織は複数の密輸ルートで錠剤を国内に持ち込み、売買しているようだ。
当局は麻薬密売組織を「殲滅」すると宣言している。陸軍は昨年1月、組織の拠点に踏み込み、少なくとも27人を射殺した。