◎多くの医療機関が発熱患者を処理しきれず、対応に苦慮している。
中国、上海の中学校(Getty Images/AFP通信)

中国当局は17日、上海市でコロナウイルス新規陽性者が急増していることを受け、市内の全学校にオンライン授業に移行するよう命じた。

市の教育委員会によると、保育園と託児所も閉鎖される予定。

共産党は今月、ゼロコロナ政策に反発する抗議デモが全国で相次いだことを受け、規制を大幅に緩和した。

結果、新規陽性者が急増し、医療機関に大きな負担がかかっている。

規制緩和で新規陽性者数を正確に把握することは困難になったが、これは中国以外の国も経験してきたことである。

報道によると、多くの医療機関が発熱患者を処理しきれず、対応に苦慮しているという。当局は全国各地に臨時の医療施設や保健所を設置している。

上海当局は発熱患者用の病床23万床を追加設置したという。

上海市内の一部の学校では教職員の感染が相次ぎ、当局の命令が出る前にオンライン授業に切り替えていた。

市の教育委員会はWeChatに投稿した声明で、「市内の学校の大半は19日からオンライン授業に移行する」と発表。保護者に理解を求めた。

オンライン用の端末を持っていない家庭は対面授業を受けることができる。

教育委は声明の中で、「この措置は政府のコロナ対策に基づき、生徒と教員の健康を守るために実施するものである」と述べている。

声明によると、1月17日の旧正月の連休まで対面授業は原則禁止となる。

中国版ツイッターWeiboのユーザーは教育委の決定をおおむね歓迎した。一部のユーザーは共働きの親に負担がかかるのではないかと懸念を示している。

AP通信は専門家の話を引用し、「中国は西側の先進国を含むほとんどの国が経験した感染拡大と死者の増加に対処しなければならない」と報じた。「学校閉鎖も多くの国が経験したことであり、中国当局は西側の過去の対策や問題点を参考にしながら手探りで対策を取り入れていくでしょう...」

中国の医療インフラは患者の急増に対処する準備ができていないのではないかと懸念されている。

一部の専門家は「高齢者のワクチン接種が進んでいないことがネックとなり、死者が急増する可能性がある」と指摘している。

中国の公式累計死者数は約5300人。世界の公式死者数は670万人近くに達したが、多くの専門家が実際の死者数はこれよりはるかに多いと指摘している。

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