◎加盟国から提供される資金の残額は必要な額の半分に満たず、誰を救うか決めることを余儀なくされている。
2022年5月14日/ウクライナ、西部リビウで行われた葬儀(Emilio Morenatti/AP通信)

国連は1日、異常気象やウクライナ侵攻の影響で世界的に人道支援のニーズが高まっていることを受け、加盟国に対し、来年の援助資金として過去最高となる515億ドル(約6兆9800億円)の援助を要請すると発表した。

4つの国連機関(ユニセフ、世界食糧計画、国連難民高等弁務官事務所、国連開発計画)によると、69カ国で3億3900万人を支援するために緊急資金が必要で、その数は昨年同期比で22%増加したという。

国連人道問題調整事務所(OCHA)のグリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)は記者会見で、「今年の異常気象がもたらした壊滅的な被害は来年に波及するため、人道支援ニーズは衝撃的なレベルに達した」と述べた。

またグリフィス氏は東アフリカの干ばつ、パキスタンの洪水、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、世界の避難民が今年初めて1億人を超えたことを指摘した。

グリフィス氏は「コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けた世界の最貧層はさらなる危機に直面している」と述べた。「この資金は瀬戸際にいる人々を救う命綱です。誰も取り残さないという国際社会の公約を実現するために必要なのです...」

国連が毎年発表する「GHO(Global Humanitarian Overview)」は国連と多数の非政府組織が必要とする資金を組み合わせたものである。

加盟国から提供される資金の残額は必要な額の半分に満たず、誰を救うか決めることを余儀なくされている。

2021年7月15日/ケニア中部のダム湖(Cheboite Kigen/NMG/Getty Images)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク