◎コンゴ軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」は北キブ州郊外で激戦を繰り広げているとみられる。
コンゴ民主共和国東部で25日、反政府勢力「3月23日運動(M23)」の侵攻に反対する集会が開かれ、数百人が参加した。
コンゴのチセケディ(Felix Tshisekedi)大統領は23日、アンゴラで隣国ルワンダの外相と会談し、同国東部で進行中の紛争の即時停戦を目指すことで合意した。
コンゴ軍とM23は東部の北キブ州郊外で激戦を繰り広げているとみられるが、戦況はほとんど明らかになっていない。M23は少なくとも3つ町を占領したと伝えられている。
M23はアンゴラの協議に参加していないものの、停戦を受け入れると表明した。しかし、コンゴ政府は協定を破る可能性が高く信用できないと主張している。
M23の報道官は24日、ツイッターに声明を投稿し、「政府が少しでも不穏な動きを見せれば、我々は領土を防衛する」と警告した。
また報道官は、「東アフリカ共同体(EAC)の兵士が協定を破っても同じことだ」と強調した。AP通信によると、この地域に派遣されたケニア陸軍の部隊が25日に北キブ州の州都ゴマ郊外をパトロールしたという。
ゴマ郊外の避難キャンプには前線近くの住民数万人が避難したと伝えられている。
M23の戦闘員を目撃したという男性はAP通信の取材に対し、「政府、ルワンダ、M23が停戦に合意することを望んでいる」と語った。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させた。
コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。
M23は今年6月、ウガンダ国境に近い戦略的に重要な町を占領した。コンゴ軍は占領地の奪還を目指しているとみられる。
地元メディアによると、多くの市民が戦闘に巻き込まれ死傷したという。政府は死傷者の数を公表していないが、一部の人権団体はこの数週間で数百人が死亡し、20万人以上が避難を余儀なくされたと報告している。