◎オーストラリアは今年、過去に類を見ない大雨に見舞われ、シドニーを含む複数の都市が冠水した。
オーストラリア気象局(BOM)は6日、ニューサウスウェールズ(NSW)州シドニーの年間降水量が2200mmに達し、観測記録を更新したと発表した。
BOMによると、これまでの年間記録は1950年の2194mm。
オーストラリアは今年、過去に類を見ない大雨に見舞われ、シドニーを含む複数の都市が冠水した。当局によると、今年の洪水による死者数は20人を超えたという。
NSW州政府はこれから雨量が多くなる夏を迎えるにあたり、市民に自分が住んでいる地域の危険度を確認し、万一の事態に備えるよう警告している。
NSW州政府の報道官は6日、「シドニー周辺は昨日も雨、今日も雨、明後日も雨になると予想されている」と述べ、市民に最新の気象情報をこまめにチェックするよう呼びかけた。
BOMはNSW州の広い範囲で今後数日雨が続くと予想しており、一部のダムの水位は危険水位に達する見込みだ。州政府は緊急放流で下流の水位が急上昇し、増水する可能性もあると警告している。
BOMは対象河川流域の住民に政府が発信する最新情報をチェックし、避難勧告が出る前に行動を開始し、避難もしくは身の安全を守るよう呼びかけている。
NSW州の予報官はオーストラリア放送協会(ABC)のインタビューで、「今後数日はどこで洪水が起きてもおかしくない」と警告した。
シドニーは今年、何度か大雨と洪水に直面したが、専門家によると、シドニーよりNSW州中部と西部の方が危険だという。この2地域は海抜が低いだけでなく、排水設備も整っておらず、一度冠水すると水がなかなか引かないようだ。
シドニー西部ホークスベリーネピアンバレーの住民はこ2年足らずで5回洪水を経験している。
専門家によると、現在の荒天は地球温暖化とラニーニャ現象が引き起こしているという。
オーストラリアでラニーニャ現象が発生すると前線や台風が発生しやすくなり、日中の気温も低くなる。