◎メキシコで公務員に対する攻撃は珍しくない。
メキシコ、麻薬カルテルの暴力に抗議するデモ(Getty Images)

メキシコ当局は5日、南部ゲレロ州の市長が何者かに射殺され、隣接するモレロス州でも州議会議員が暗殺されたと発表した。

地元メディアによると、ゲレロ州の事件では市長を含む9人が射殺されたという。

モレロス州では首都メキシコシティの南に位置するクエルナバカで議員が射殺された。

メキシコで公務員に対する攻撃は珍しくない。オブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は麻薬カルテルやギャングの取り締まりを強化するため、軍に国内の治安を維持するよう命じている。

ゲレロ州政府はサン・ミゲル・トトラパンの市長が殺害されたことを認めた。この町は複数の麻薬カルテルが支配権を争う、メキシコで最も紛争が多い地域のひとつである。

サン・ミゲル・トトラパンでは2016年、麻薬カルテル「ロス・テキレロス」の暴力にウンザリした住民がこのカルテルのリーダーの母親を誘拐した。

サン・ミゲル・トトラパンの地元メディアは5日遅く、市長の他に少なくとも8人が殺害されたと報じた。

モレロス州クエルナバカではオートバイに乗った男2人が車から降りた議員を射殺し逃走した。

地元メディアによると、この議員は薬局の前で撃たれたという。

モレロス州政府は攻撃を非難し、警察の特殊部隊が容疑者を追跡しているとツイートした。

AP通信によると、オブラドール政権下で殺害された市長はこれで18人、州議会議員は8人となった。

連邦議会は今週、軍の治安維持任務を2028年まで延長するというオブラドール氏の提案を議論する予定だ。

オブラドール氏は先月、州兵の指揮権を州政府から軍に移す法案に署名した。

メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。

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