◎自治体は墓のコンクリートの一部が老朽化していたため、その一部を撤去し、政府に修繕を依頼する予定だった。
スロバキア政府は16日、第一次世界大戦で戦死したロシア兵の墓が破壊されたという駐ロシア大使の主張を退けた。
在スロバキアロシア大使館は声明で、「スロバキア東部の集落にあるロシア兵の墓が村長の命令で破壊された」と報告したが、村長はこの声明を否定し、「スロバキア人は死者を冒涜しない」と反論した。
駐ロシア大使は「現地を訪問し、墓が破壊されていることをこの目で確認した」と主張している。
しかし、村長は大使を「嘘つき」と一蹴した。
スロバキア通信(TASR)は検事総長の声明を引用し、「当局に現地調査を命じた」と報じている。
ロシアのウクライナ侵攻以来、いくつかの欧州諸国はソ連時代の記念碑の撤去作業を進めている。ただし、ソ連兵の墓を撤去した国は今のところ報告されていない。
TASRによると、自治体は墓のコンクリートの一部が老朽化していたため、その一部を撤去し、政府に修繕を依頼する予定だったという。
現地を確認した地元警察は村長の主張を認め、「墓は壊されておらず、ロシア大使館は嘘をついた」と非難声明を発表した。
また同警察は、ロシアの主張を受け、市長が脅迫を受けていると報告した。脅迫の詳細は明らかにされていない。
現在のスロバキアの領土は旧オーストリア・ハンガリー帝国の一部である。同帝国は第一次世界大戦でロシアと戦った。