◎北朝鮮はコロナウイルスを「悪性伝染病」「謎の発熱ウイルス」などと呼んでいる。
北朝鮮の国営メディアは26日、中国国境の町「両江道(りゃんがんどう)」で「悪性伝染病」と疑われる患者が4人確認された問題について、検査の結果、4人はコロナウイルスではなくインフルエンザに感染していたと主張した。
北はコロナを「悪性伝染病」「謎の発熱ウイルス」などと呼んでいる。
朝鮮中央通信社(KCNA)によると、保健当局は4人のサンプル、症状の性質、追跡から得た情報などを調べた結果、4人はインフルに感染したという結論に達したという。また4人は全員平熱に戻ったと主張した。
朝鮮人民軍は両江道を完全封鎖したものの、4人がコロナ患者ではなかったことを受け、封鎖を解除した。
KCNAは当局者の話を引用し、「両江道の市民はマスク着用を徹底し、発熱の症状が出た場合は直ちに当局に報告する必要がある」と報じている。
金正恩(Kim Jong Un)党総書記は2週間前にコロナに完全勝利したと自己宣言し、感染予防対策の緩和を指示。それ以降、KCNAは発熱患者の情報を報じていなかったが、24日に悪性伝染病と疑われる患者が確認されたと伝え、世界を驚かせた。
キムは完全勝利を「奇跡」と自慢し、北朝鮮の取り組みは全世界で認められるだろうと主張したが、多くの専門家が勝利宣言に疑問を呈している。
一部の専門家は「北はコロナに勝利したと宣伝し、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に本腰を入れる可能性がある」と警告している。
北は5月以降、約480万人の発熱患者を確認したと報告したが、コロナと特定したのは数件だった。この3カ月間で死亡した人はわずか74人、死亡率は驚異の0.002%である。
キムの妹、金与正(Kim Yo jong)は隣国韓国が北にコロナを拡散したと主張。致命的な報復でこれに対抗するとしている。
また妹は韓国の活動家が飛ばした風船のビラにコロナが付着していたと主張したが、韓国政府はこの主張を「馬鹿」と一蹴している。