◎ドイツ国内でホロコーストを軽視することは犯罪である。
独ベルリン警察は19日、パレスチナのアッバス(Mahmud Abbas)議長がショルツ(Olaf Scholz)首相との共同記者会見で行ったホロコースト発言の予備調査を開始した。
アッバス氏は1972年のミュンヘン五輪事件の質問を受けた際、パレスチナ人に対するイスラエルの暴力をホロコーストと非難した。
パレスチナの過激派「黒い九月」は50年前の9月、ミュンヘン五輪の選手村でイスラエルの代表選手11人とドイツ人警察官1人を殺害した。このグループはアッバス氏のファタハとつながっていた。
アッバス氏は「イスラエルとドイツに謝罪する用意があるか?」という質問を受け、「イスラエルはパレスチナに対し50のホロコーストを行った」と発言し、イスラエル政府を非難した。
この発言はイスラエルとドイツ、そして世界のユダヤ人を怒らせた。
日刊紙ビルトによると、ベルリン警察は憎悪を扇動した可能性があるとしてアッバス氏に対する予備調査を開始したという。
ドイツ国内でホロコーストを軽視することは犯罪である。ただし、調査がすべて起訴につながるわけではない。
外務省は19日、アッバス氏はパレスチナ自治政府の代表として公式な立場でドイツを訪問したため、訴追を免除されると発表した。
ドイツはパレスチナ自治区を主権国家として認めておらず、ショルツ氏も16日にその立場を再確認した。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。
ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられたパレスチナ人数百万人は今もみじめな生活を送っている。