◎右派の準軍事組織や複数の左翼ゲリラが関与するコロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されている。
コロンビアの左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」は18日、新政権との和平交渉に先立ち、善意の証として捕虜にしていた兵士5人と警察官1人を解放すると発表した。
先週就任した元左翼ゲリラのペトロ(Gustavo Petro)大統領はELNとの和平を公約の一つに掲げている。
ELNの報道官はAP通信の取材に対し、「6人の解放は対話を促進しようとするコロンビア政府の努力を認識したという人道的ジェスチャーである」と語った。
国家機関であるオンブズマン事務所は職業軍人2人、その他兵士3人、警察官1人の解放を確認したと報告している。
また同事務所はELNを含むテロ組織に拘束されたすべての捕虜を解放するための活動を継続するとした。
ペトロ氏とELNの代表は先週、キューバで会談し、協議再開の可能性について話し合った。
和平交渉はELNが首都ボゴタの警察学校を爆破(2019年)したことで中断されていた。この爆破テロでは士官候補生20人以上が死亡している。
前政権はこの爆破テロを受け、キューバにいるELN指導者の逮捕状を発行した。しかし、キューバ共産党は身柄の引き渡しを拒否している。
米国は昨年、キューバをテロ支援国家に再指定した。ELNは米国からテロ組織に指定されている。
コロンビア革命軍(FARC)は2016年に政府と和平協定を締結した。右派の準軍事組織や複数の左翼ゲリラが関与する内戦の犠牲者は45万人以上と推定されている。