◎炎は一部集落に接近し、住民数十人が避難を余儀なくされ、周辺の道路も封鎖された。
フランスの消防当局は8日、南部ガール県郊外で発生した山火事が燃え広がり、近隣住民が避難を余儀なくされたと発表した。
国営フランス・テレビジョンなどによると、消防士900人以上が消火活動にあたり、7日には消防士少なくとも13人が負傷したという。
火災は数日前に発生し、これまでに消防士18人が火傷などで病院に搬送されている。死者は今のところ確認されていない。
ガール県の消防当局は記者会見の中で、「干ばつ、熱波、強風の影響で炎が燃え広がり、消火活動を困難にしている」と述べたが、炎は鎮火しつつあるとした。
当局によると、消火活動が功を奏し、燃焼面積は9㎢(東京ドーム2100個分)ほどにとどまっている。
フランス・テレビジョンによると、炎は一部集落に接近し、住民数十人が避難を余儀なくされ、周辺の道路も封鎖されたという。
ガール県の消防を支援している隣県のブーシュデュローヌ県の広報担当はメディアの取材に対し、「消火活動は今後数日は続く見込み」と語った。
この火災はフランス南東部を横切るユネスコ世界遺産「セヴェンヌ地方の山岳地帯」を脅かしている。
セヴェンヌ地方の自治体は8日、世界遺産に指定されているいくつかのエリアへの立ち入りを11日まで禁じるとした。自治体は新たな火災のリスクを減らすためと説明している。
フランス気象局は8日、炎が近隣地域に燃え広がる可能性があるとして、広い範囲に警報を発令した。環境省も地域住民に火の取り扱いに十分注意するよう呼びかけている。
この夏はギリシャ、ドイツ、ポルトガルなど、欧州の広い範囲で山火事が発生している。