◎野党が多数派を占める5つの町の市役所が機動隊に占領された。
2018年9月11日/ニカラグア、オルテガ大統領(右)と妻のムリジョ副大統領(Getty Images/AFP通信)

ニカラグアの地方当局は4日、野党が多数派を占める5つの町の市役所が機動隊に占領されたと報告した。

昨年の大統領選への立候補を禁じられた有力野党連合「自由のための市民たち(CXL)」の報道官によると、重武装した機動隊は2日~4日にかけて、各市役所に押し入ったという。

CXLの複数の関係者も町がオルテガ政権の支配下に置かれたとSNSなどに投稿している。

CXLの報道官は4日、ツイッターに「5つの町が占領された」と投稿し、オルテガ(Daniel Ortega)大統領を非難した。

CXLは占領された5つの町の地方選挙(2017年)で勝利を収めた。しかし、オルテガ氏は選挙結果を「詐欺」と呼び、昨年11月の大統領選に立候補する予定だった野党の有力候補7人を反逆罪に相当する容疑で投獄した。

米国・EU・野党はオルテガ氏の4選を茶番と非難したが、オルテガ氏は米国を「ヤンキー帝国」、EUを「ヒトラーの弟」と呼び、「内政に干渉するな!」と一蹴した。

地元の独立系メディアによると、オルテガ政権は今回の占領事件に関する声明を発表していないとう。

北西部サンセバスチャンの市長はツイッターに、「約50人の重武装した機動隊員と与党サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の関係者が4日未明に事務所を襲撃した」と投稿している。

市長によると、市役所はFSLMの管理下に置かれたという。地元メディアはFSLMの地方議員が新市長に就任したと報じているが、詳細は不明。

別の町ではFSLMの女性議員が新市長に指名されたと伝えられている。この女性議員は地元メディアの取材に対し、「CXLの政治家は活動を禁じられている」と主張した。

CXLの一部議員は昨年の取り締まりでニカラグア国籍を剥奪され、亡命を余儀なくされた。

ニカラグアの153の自治体のうち、140がFSLMの支配下に置かれ、残り13は2つの野党政党が何とか保持している。

オルテガ政権の活動を監視している市民団体「Open Ballot Boxes」はウェブサイトに非難声明を投稿し、「オルテガは民主主義を破壊し、完全な独裁体制に移行しようとしている」とした。

「あの男は野党をこの国から追放し、すべてを手中に収めようとしています」

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