◎ケニアの総選挙(大統領、連邦議会、地方議会選)は8月9日に行われる予定。
ケニアのルト(William Ruto)副大統領は22日、8月に予定されている大統領選の公約のひとつとして、国内で働いている中国人を国外退去させると発表した。
同国の総選挙(大統領、連邦議会、地方議会選)は8月9日に行われる予定。
ルト氏は首都ナイロビの経済フォーラムでこの計画を発表した。「中国人はトウモロコシ料理を作り、携帯電話を売り、土地を耕してます。私はケニア人から仕事を奪っている中国人を強制送還します」
またルト氏は支持者に、アフリカ人の力を結集して東アフリカの経済を支える必要があると述べ、中国人を排除すると主張した。「ケニアの仕事はケニア人、アフリカ人のものです。私は当選した暁には、彼らを飛行機に乗せます。ケニアには彼らを送り出す力があります...」
AFP通信によると、ナイロビの中国大使館は質問に応じなかったという。
ルト氏は中国を「ケニアを支配する王朝」と呼び、批判している。またルト氏はケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領の政策に批判的で、当選すれば同国の債務推定700億ドルを一掃すると約束している。
中国はケニアに数十億ドル規模の融資を提供している。その多くがインフラプロジェクト関連で、高速道路や高速鉄道が建設された。
これらの投資は中国人労働者の流入を促し、ナイロビを含む主要都市には中国人居住エリアが建設されている。
SNSユーザーはルト氏の公約に様々なコメントを寄せている。
ケニア人と思われるツイッターユーザーは、「我々は中国に借りがあり、関係をこじらせるべきではない」と投稿した。「彼らは借金を返せと迫るでしょう...」
中国人労働者の流入に反対するユーザーもいる。「地元の若者は仕事がないと悩んでいます....」
一部の専門家は中国の融資で収益を上げられないインフラプロジェクトに投資すべきではないと指摘している。
ある専門家は破産寸前のスリランカを引用し、「中国の債務トラップに引っ掛かった国は借金漬けにされた挙句、雇用だけでなく領土も中国企業に奪われるだろう」と警告した。
スリランカ政府は中国のトラップに引っかかり、借金と引き換えに主要港湾インフラを中国企業に引き渡している。