◎正体不明のコンゴ兵は17日朝、ルワンダ西部ルバブ地区の国境ゲートを越え発砲。警察官2人を負傷させた。
2022年6月17日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマのルワンダ国境ゲート(Moses Sawasawa/AP通信)

ルワンダ軍は17日、コンゴ民主共和国の兵士が西部ルバブ(Rubavu)地区の国境ゲートを越えルワンダの国境警備隊と市民に向け発砲したと発表した。

声明によると、この兵士はまもなく射殺されたという。

ルワンダ軍は声明の中で、「正体不明の兵士は17日朝、ルバブ地区の国境ゲートを越え発砲。警察官2人を負傷させた」と述べている。

ルワンダ政府はコンゴに事件を報告し、両国の国境警備隊がゲート周辺を封鎖。現場検証を行ったとみられる。

AP通信は目撃者の証言を引用し、「東アフリカ共同体(EAC)の地域部隊と国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の兵士が現場検証に立ち会った」と報じている。

ルワンダ軍は声明の中で、「国境は現在落ち着いている」と述べている。

一方、コンゴ政府報道官は事件を確認したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

死亡した兵士の遺体は国境を越えてきて東部「北キブ州」ゴマに移送された。AP通信によると、この地域の住民数百人が遺体を乗せた車を見送り、兵士を「英雄」と称えたという。

アフリカ大陸で最も機動性の高い軍隊を持つルワンダと、アフリカ大陸で最も多くの問題を抱えるコンゴの数十年にわたる緊張はこの数カ月で劇的に高まった。

ケニアのケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領は両国間の緊張緩和と無用な戦闘を避けるために、EACの地域部隊をコンゴ東部に配備するとしている。

両国は互いに越境攻撃を非難し合っている。コンゴはルワンダ軍が反政府勢力「3月23日運動(M23)」と協力して北キブ州に攻撃を仕掛けているとし、ルワンダは越境攻撃を仕掛けてきたのはコンゴと主張している。

北キブ州のコンゴ軍報道官は15日、数千人の抗議者の前で、「相手が望むのであれば戦争に打って出る」と述べた。

ルワンダ政府の報道官は17日の記者会見で、「コンゴとの問題を解決する唯一の方法は対話である」と述べ、戦争は望まないという見解を示した。

2022年6月17日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ市内(Moses Sawasawa/AP通信)
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