◎ルワンダ政府はM23を支援している、もしくはM23と一緒に越境攻撃を仕掛けているというコンゴの主張を否定している。
コンゴ民主共和国政府は15日、東部「北キブ州」の町を反政府勢力「3月23日運動(M23)」が占領したことについて、「ルワンダ軍が望むのであれば、戦争に打って出る」と警告した。
コンゴ政府は今週、M23が北キブ州の国境の町ブナガナ(Bunagana)を占領し、ルワンダ軍がこの「侵略」に関与していると非難していた。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡した。
北キブ州のコンゴ軍報道官は15日、州都ゴマで開催された反ルワンダ集会に宛てた声明で、「ルワンダはコンゴを嫌っている」と述べた。「しかし、我々はルワンダを恐れていません。もし、相手が戦争を望むのであれば、戦うことになるでしょう。コンゴの領土は1cmたりとも占領させません...」
国境の町ブナガナは交易の要衝であり、国際機関と国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の活動拠点としての役割も担っている。
東アフリカ共同体(EAC)の議長を務めるケニアのケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領は15日、北キブ州の緊張が高まっていることに深刻な懸念を表明し、EACの地域部隊に出動を要請した。
またケニヤッタ氏は6月19日に開催されるEAC会議で、「必要に応じてコンゴ東部に即応部隊を展開できる体制に移行する」とした。
ケニヤッタ氏は当事者に敵対行為の即時停止を求め、コンゴ東部3州を武装禁止区域とし、国際機関の平和維持部隊以外の者に武装解除するよう呼びかけた。
MONUSCOによると、ルワンダまたはウガンダ軍がM23のブナガナ占領を支援したかどうかは分からないという。
MONUSCOの報道官は15日の記者会見で、「ルワンダ軍が占領に関与したというコンゴの主張を確認することはできなかった」と説明した。
ルワンダ政府はM23への支援を否定している。
M23の戦闘員は主にコンゴのツチ族で構成され、ルワンダの大統領はツチ族の血を引いている。
ルワンダのフツ族は1994年のジェノサイドでツチ族の住民数十万人を虐殺したと非難されている。フツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
ルワンダ政府は14日の声明で、「越境攻撃を仕掛けてきたのはコンゴ軍であり、砲撃で数人が負傷した」と報告している。また同政府はコンゴに越境攻撃をやめるよう求めている。
北キブ州ゴマの反ルワンダ集会に参加した市民は国際社会に介入を求めた。
ゴマの住民だという男性はAP通信の取材に対し、「ルワンダとウガンダの侵略を受け入れることはできない」と語った。
デモは平和的に行われたが、一部がルワンダ国境近くに接近したため、催涙ガス弾が使用された。報道によると、少なくとも1人が負傷したという。逮捕者は出ていないとみられる。