◎カナダは米国や中南米諸国に比べると、はるかに厳しい銃規制を導入している。
カナダ政府は30日、銃規制の強化を提案し、国内における銃取引の全面禁止を目指すと発表した。
トルドー政権が30日に議会に提出した法案は「拳銃」の個人所有を禁止するとしている。なお、すべての銃器が禁止されるわけではないが、特定の用途以外での購入は不可となる。
トルドー政権は米テキサス州ユバルディの小学校で児童19人を含む21人が死亡した銃乱射事件を踏まえ、銃規制の強化を提案したとみられる。
トルドー(Justin Trudeau)首相は記者団に対し、「スポーツ射撃や狩猟以外の目的で市民が銃を必要とする理由がない」と語った。「銃による暴力を根絶することが我々の義務です」
カナダ放送協会(CBS)によると、この法案は狩猟用ライフル銃の装填も厳しく制限し、一度に5発以上装填することを禁じるという。
また、家庭内暴力などに関与した個人から銃器の使用許可を剥奪するとしている。
カナダは米国や中南米諸国に比べると、はるかに厳しい銃規制を導入している。
銃所有者はすべての銃から弾を抜き、鍵がかかる場所に保管しなければならず、新たに銃を購入したい場合は厳しい身辺調査をクリアする必要がある。
しかし、カナダの国民は近隣諸国で銃暴力が頻発していることから、規制の強化を求めていた。
2020年4月に東部ノバスコシア州で発生した銃乱射事件では22人が死亡、カナダ史上最悪の銃乱射事件となった。この事件から数日後、トルドー氏は殺傷能力の高い1500種の自動小銃の個人所有を禁じた。