◎全米ライフル協会はもっとも強力なロビー団体のひとつであり、共和党を強く支持している。
全米ライフル協会(NRA)の年次総会に参加した銃愛好家たちは29日、テキサス州ユバルディで発生した銃乱射事件は「私たちのせいではない」と指摘し、銃規制を求める声が高まっていることに懸念を表明した。
メキシコ国境に近いユバルディ郡のロブ(Robb Elementary School)小学校で24日に発生した事件では児童19人と教師2人が撃ち殺された。
事件から3日後、同州ヒューストンのNRA総会会場に集まった銃愛好家たちは反対派の抗議デモに直面しながらも「武装する権利」を擁護した。
13歳の孫を持つヒューストン在住の女性はアサルトライフルの展示場でメディアの取材に対し、「銃を購入できる年齢を見直す時が来たのかもしれない」と語った。
女性はABCニュースのインタビューの中で、「18歳はお酒を買えません。しかし、アサルトライフルは購入できます」と述べている。
主要メディアの世論調査によると、回答者の大多数が銃の購入に制限を設ける通称レッドフラッグ法を支持しているという。
バイデン(Joe Biden)大統領は殺傷能力の高い自動小銃の販売禁止や銃購入時の身辺調査の強化などを求めている。
ABCニュースによると、会場で取材に応じた人々の多くが「銃規制は支持しないが、身辺調査の強化は支持する」と答えたという。
ユタ州から参加した男性はAP通信の取材に対し、「一部の規制には賛成するが、民主党は調子に乗って銃の所持を禁止するかもしれない」と語った。「ジョー・バイデンは筋金入りの左派が好む厳しいレッドフラッグを発効するかもしれません。そうすれば別の問題が発生します....」
フロリダ州の女性はAPに、「メンタルに問題を抱える人から銃を遠ざけることには賛成するが、その他の改革案はやりすぎ」と語った。「頭のいい民主党員に引っ込んでろと言いたいです。自分たちの思い通りになると思ったら大間違いです」
共和党の指導者たちは銃規制に強く反対している。
総会で演説したサウスダコタ州知事は銃規制の呼びかけを「ゴミ」と一蹴し、テキサス州選出のクルーズ(Ted Cruz)上院議員は身辺調査を「無駄」と却下し、トランプ(Donald Trump)前大統領は「学校に武装警察官を配備しよう」と提案した。
一方、会場周辺に集まった抗議者たちは議員に仕事をするよう呼びかけた。
デモに参加した女性は、「私の娘は教師になるために身を守る方法を学ばなければなりませんでした」と語った。
ヒューストンの学校に通う14歳の女子生徒はABCニュースに、「銃規制に反対する理由が分からない」と語った。「同じような事件が何度も起きているのに。なぜ彼らは失敗から学ぼうとしないのですか?」
ユバルディの教師だという女性は「ばかげている」とNRAを非難した。「もうウンザリです。私たちは毎日、生徒が無事自宅に帰りついたか心配しています。政治家は大丈夫、心配ない、うまくやる、というばかりで何もしていません」
銃規制の声が高まっているにもかかわらず、上院共和党は先週、下院で可決された銃に関する規制を一部強化する法案を廃案に追いやった。