◎裁判は5週目に突入した。
俳優のジョニー・デップ(Johnny Depp)の弁護団は17日、アンバー・ハード(Amber Heard)に対する5000万ドル(約63億円)の名誉毀損裁判の中で、「ハードさんは暴力の証拠として提示した写真を加工している」と主張した。
アンバーはこの日、アルコールや薬物を接種しハイになったジョニーから暴力を振るわれたという主張の反対尋問を受けた。
ジョニーはワシントン・ポスト紙が2018年に掲載した記事の中で、アンバーが「家庭内暴力を(受けた女性を)代表する公人になった」と主張したことに憤慨し、5000万ドルの訴訟を起こした。
アンバーは記事の中でジョニーの名前には触れていないが、ジョニーは記事のせいで名誉、名声、ファン、大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」フランチャイズ、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズを失ったと主張している。
ジョニーは元妻への暴力を否定し、DVの被害者は自分と説明している。
ジョニーの弁護士は、2015年にオーストラリアで発生したとされる口論と暴力についてアンバーに質問した。
この問題は今回の裁判と2020年の名誉棄損裁判で何度も議論されている。
ジョニーはアンバーが投げつけたウォッカボトルが爆裂し、中指の骨が露出するほど切断されたと主張している。しかし、アンバーはジョニーに性的暴行を受けたと陪審員に説明した。
ジョニーの弁護士は、「オーストラリアで瓶を使ってデップさんを暴行したのはあなたですね?」と質問した。
アンバーは「ジョニーを暴行したことなど一度もない!」と断言した。
しかし、アンバーは以前の審理で何度かジョニーを殴ったと認めている。弁護士に問いただされたアンバーは「口論になった際、反射的に殴ってしまったことがある」と説明した。
一方、陪審員たちはアンバーがジョニーへの謝罪の気持ちを記したとされる日記(アンバーはラブレターと呼んでいる)の抜粋をチェックした。
アンバーは日記に、「私はクレイジーになることがあります。ごめんなさい。私は傷つくと邪悪になることがあるの」と書いている。
アンバーは日記について、「ケンカを乗り越えようとするときに謝ることは本当に大事なことです」と陪審員に語った。
一方、ジョニーの弁護士はアンバーが性的暴行を受けた証拠として2016年5月に撮影したとされる写真に疑問を投げかけた。
弁護士は、「この写真を編集したのはあなたですか?」と質問し、アンバーは「写真を編集したことはありません」と答えた。
陪審員たちは「ダンスパーティーとドラッグと音楽」というイベントが含まれたふたりの結婚式の日程表をチェックさせられた。
アンバーはジョニーがアルコールと薬物におぼれ暴力を振るったと主張している。ジョニーは薬物乱用を認めているが、酒におぼれたことはないとしている。
ジョニーの弁護士は、「あなたは計画に、これから結婚するドラッグ中毒モンスターとディナーを楽しんだ後、島でドラッグハイになる予定と書いていますね。これは事実ですか?」と尋ねた。
アンバーは「日程表は草案であり、ウィード(大麻の俗称)を使用する予定だった」と語った。またアンバーは30歳の誕生日に薬物を使用したことを認めた。
アンバーは今月初めの審理で、ジョニーに暴行を受け、キャリアを支配されそうになったと主張している。
ジョニーの弁護士は、「あなたはデップさんのおかげで話題作アクアマンの役を射止めたのに、本当に執念深い人だ」と主張した。
アンバーは落ち着いた様子で、「いいえ。私はオーディションであの役を手に入れました」と答えた。
アンバーは1億ドル(約130億円)の訴訟でジョニーに反撃する予定。