◎16日の新規陽性は1159人。その大半が上海で確認され、ほとんどが無症状だった。
上海の副市長は16日、市内の大部分のコロナウイルス感染者がゼロになり、封鎖下に置かれている住民は100万人を下回ったと明らかにした。
副市長によると、市内の16地区のうち15地区の新規陽性がゼロになったという。
食料品店やレストランは16日から営業を許可され、収容制限、非接触、マスク着用、消毒の徹底などを義務付けられた。しかし、移動に関する規則は残っており、地下鉄は閉鎖されたままである。
上海の新規陽性は確実に減少している。そのため、多くの住民がSNSで規制緩和を訴え、あるWeiboユーザーは「50日以上自宅に閉じ込められている」と投稿した。
国営メディアによると、上海当局は6月1日に封鎖を解除できる状態にあり、新規陽性がさらに減少すれば規制を見直す予定だという。
しかし、上海の副市長は「人口の多いエリアで新規陽性の報告が続いている」と指摘。規制緩和は感染再拡大につながる可能性があるとした。
また副市長は、「市全体で見ると、予防対策はまだ十分とは言えず、秩序ある正常な上海を取り戻すためには、継続的な努力と市民の広範な協力が必要だ」と語った。
厳しい封鎖は中国で最も裕福といわれる上海市民の食料安全保障を脅かした。さらに、医療を受ける権利、移動の権利、プライバシーの権利の圧倒的欠如は怒りを呼び起こし、当局者と住民の乱闘も報告された。
世界保健機関(WHO)は先週、中国のゼロコロナ政策を「持続不可能」と否定したが、共産党はゼロコロナ批判をすべて拒否し、少なくとも11月の第20回党大会までは体制を維持すると考えられている。
国営の機関誌「人民日報」は先月、ゼロコロナを追求する習近平 国家主席を絶賛し、「継続は力なり」と国民に呼びかけた。
保健当局によると、16日の新規陽性は1159人。その大半が上海で確認され、ほとんどが無症状だった。
首都北京の新規陽性も少なく、16日はわずか54人だった。しかし、当局は集団検査を命じ、ビルを封鎖し、在宅勤務を命じ、対面授業を中止し、レストランをテイクアウト限定とした。
上海と北京の締め付けは雇用、サプライチェーン、世界経済に影響を与えている。当局が16日に公表したデータによると、4月の工場と消費者の活動は予想を下回った。
データを概説した国家統計局の主任は、「3月下旬から始まった規制は緩和され、市内の大手企業9000社の約50%が活動を再開した」と述べた。
民間のエコノミストは、今年の中国の経済成長率予測を2%としており、共産党の目標である5.5%を大きく下回っている。昨年の成長率は8.1%だった。
共産党とコロナの根競べはしばらく続くと思われる。