◎オタワの国立戦争記念館内にある無名戦士の墓では、戦没者を称える式典が厳かに執り行われた。
カナダの首都オタワで30日、バイカーによるツーリング型抗議デモ「ローリング・サンダー」が開催され、推定150人のバイカーがオタワの通りを颯爽と駆け抜けた。
一方、オタワの国立戦争記念館内にある無名戦士の墓では、戦没者を称える式典が厳かに執り行われた。
カナダ放送協会によると、抗議者の多くが世界を驚かせた2月の抗議デモ「フリーダム・コンボイ」にも参加していたという。
オタワ警察は30日の声明で、国立戦争記念館周辺に駐車した車両33台をレッカー移動し、2人を逮捕したと明らかにした。
無名戦士の墓ではアフガニスタン戦争に従事した元兵士が戦没者に花束を捧げた。
一方、国立戦争記念館周辺に集まったデモ隊はワクチンの義務化、コロナ制限、トルドー首相の左寄りの政策に反対を表明し、墓地周辺に集まった人々とにらみ合いになった。
戦没者を称えた人々はデモ隊にトルドー首相を嘲笑する旗や看板を撤去するよう要請した。
これにデモ隊は激怒し、墓地の方向に向かって「帰れ!」「非国民!」などと叫んだ。
両者の間に立ちふさがった機動隊はののしり合いを見守った。
警察は戦没者を称える式典が終わると、ローリング・サンダーが許可を得たルートを正しく走行しているかチェックした。
カナダ放送協会によると、一部のローリング・サンダー族が許可ルートから外れ、国立戦争記念館の近くに接近したという。警察は族を止め、所定のルートに戻るよう命じた。
29日の夜には、大型トラックやキャンピングカーなどで構成される新フリーダム・コンボイ部隊が国会議事堂近くに到着した。
機動隊は抗議者を押し戻し、議事堂近くに駐車したトラックを速やかに撤去した。
オタワ警察によると、少なくとも7人が警察への暴行を含むさまざまな容疑で逮捕され、トラック1台の窓ガラスが割れたという。
2月の熱烈な抗議デモは3週間続き、議事堂は大型トラックと抗議者で埋め尽くされ、世界を騒然とさせた。連邦政府は緊急事態法を発動し、国境を封鎖し物流に影響を与えようとした暴徒を追い払った。