◎近年、多くの国が同様の禁止規則を解除している。
2021年8月15日/カナダ、オンタリオ州オタワ、トルドーファミリー(AP通信)

カナダの保健当局は28日、同性愛嫌悪として長い間非難されてきたゲイ男性に対する献血禁止規則を撤廃すると発表した。

政府はこれまで、3カ月以内に男性と性交渉(オーラルセックス含む)したゲイ男性の献血を禁止していた。

カナダ保健省はこの決定を「包括的な献血制度を構築する重要な第一歩」と呼び、称賛した。

近年、多くの国が同様の禁止規則を解除している。

カナダ放送協会によると、9月30日以降、献血を希望するゲイ男性は事前審査の過程で性的指向を問われることがなくなり、代わりにリスクの高い性行為を行ったかどうかを問われることになる。

リスクの高い性行為(不特定多数とセックスするなど)の確認は世界中で行われている。

カナダ国内のほとんどの地域で血液や血液製剤の提供を主導しているカナダ血液サービスは昨年、この規則の廃止を求める請願書を保健省に提出していた。

カナダ政府は献血・輸血によるHIV感染を防ぐために、この禁止令を1992年に施行した。1980年代には献血で約2000人がHIVに、6万人がC型肝炎に感染したとされる。

規則は当初、ゲイ男性の献血を全面的に禁止していたが、2013年に緩和され、5年間男性と性交渉していなければ可能となり、その後3カ月に短縮された。

トルドー首相の自由党は2015年の連邦選挙期間中にゲイ男性の献血禁止を解除すると約束したが、なかなか実現せず批判にさらされていた。

トルドー首相は28日の記者会見で規則を「差別的」と非難し、多くの同性愛者を待たせたと認めた。

多くの国が1980年代のHIV流行時に同様の禁止令を施行した。しかし、血液は現在、輸血前にHIV、B型・C型肝炎などのウイルスに感染していないか検査されるため、禁止令はほとんど意味をなさないといわれている。

イギリス政府も昨年、カナダ政府と同様の規則を撤廃した。フランス、ギリシャ、イスラエル、ハンガリー、デンマーク、ブラジルも最近解除している。

コロナウイルスの大流行で血液不足に直面した米国は、2020年10月にゲイ男性の献血条件を1年から3カ月に短縮した。

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