◎内戦、紛争、弾圧などからイギリスに逃れた亡命希望者は国際協定に基づき、難民としての地位を主張する権利を持っている。
イギリスとルワンダ政府は18日、国連と主要な人権団体から痛烈に批判された亡命協定を擁護した。
両国は先週、イギリスに不法入国した移民・難民・亡命希望者をルワンダに移送する協定に署名した。
計画はまだ検討段階だが、議会で過半数を占めるジョンソン首相の与党保守党は実施に前向きと伝えられている。
しかし、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は計画に深刻な懸念を表明し、人権NGOアムネスティ・インターナショナルを含む主要機関は計画を却下し、「亡命希望者を商品のようにルワンダに輸送すべきではない」と両国を批判した。
英タイムズ紙は18日、調印式に出席した英内相とルワンダ外相の共同記事を掲載した。
二人は記事の中で、「この画期的な協定は新しい国際基準を設定する」と述べている。また、「当局は亡命希望者の生活は向上させ、抑圧、弾圧、紛争から守り、新しい機会を合法的かつ安全に、秩序ある管理された方法で提供する」と約束した。
しかし、UNHCRの法務官であるボティニック氏はSNSに、「より人道的な方法でこの問題に対処できると感じている」と投稿し、懸念を表明した。
またボティニック氏は、「イスラエルで働いていた時、同じような計画が実行されるところを見たが、うまくいかなかった」と指摘した。「イスラエル政府はエリトリア人をルワンダに、スーダン人をウガンダに送りましたが、彼らは1週間以内にルワンダから逃げ出しました...」
イスラエルは2013年にルワンダとウガンダと密約を結び、スーダンとエリトリアの庇護希望者を移送した。この取り決めはルワンダで何の保護も得られなかった人々が欧州への危険な旅に出たことで事実上破綻した。
ボティニック氏は「不正入国を取り締まるのではなく、門戸を開き、亡命希望者を受け入れるのです」と語った。「南スーダン、スーダン、リビア...紛争地から脱出した人々は危険な旅の途中で命を落としています。密入国者はより良い人生を求め、命を懸けて海峡を渡ろうとしています」
カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビー主教も17日の復活祭で計画を批判し、「亡命希望者を海外に送るべきではない」と懸念を表明した。
ウェルビー主教は、「神は亡命希望者を助けるという義務を下請けに任せる計画に反対します」と信者に呼びかけた。「ルワンダが亡命希望者の生活を保証できたとしても、イギリスで働きたいという人々の願いを阻止することはできません」
内戦、紛争、弾圧などからイギリスに逃れた亡命希望者は国際協定に基づき、難民としての地位を主張する権利を持っている。