◎独裁者のダニエル・オルテガ大統領は昨年11月の総選挙に先立ち、主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送った。
3月12日、ニカラグアの秘密裁判所はビオレタ・チャモロ元大統領の娘であるクリスティアナ・チャモロ氏らに有罪判決を言い渡した。
チャモロ氏の親族が運営する独立系メディアによると、チャモロ氏と財団のメンバー2人、運転手、元議員とチャモロ氏の兄弟であるホアキン氏は刑務所内で行われた秘密裁判で全員有罪判決を受け、実刑が確定したという。弁護士は同席を許可されなかった。
独裁者のダニエル・オルテガ大統領は昨年11月の総選挙に先立ち、チャモロ氏を含む主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、その他の野党関係者20人も合わせて逮捕した。
それ以来、チャモロ氏は自宅軟禁下に置かれていたが、先週、悪名高いチポテ刑務所に連行され、秘密裁判にかけられていた。
独立系メディアを運営するフェルナンド氏はツイッターに、「チャモロ氏はオルテガが運営する裁判所で有罪を言い渡された」と投稿した。同氏も同様の罪に直面し亡命を余儀なくされた。
NGOニカラグア人権センターも判決を確認したと声明を発表している。
オルテガ大統領の政策に反対する国内の団体や個人は厳しい取り締まりに直面しており、多くが逮捕された。オルテガ大統領はこれらの団体や個人を「外国テロリスト」「ヤンキー帝国(米国)の手先」などと呼んでいる。
チャモロ氏が資金を提供していたビオレタ・バリオス・デ・チャモロ財団は2021年1月に事業を停止した。同財団はジャーナリストに教育を提供したり、出版社に資金を援助するなど、表現の自由を擁護していた。
チャモロ氏はニカラグア最大の新聞社「ラ・プレンサ」の編集長を務めていたこともあった。彼女の父親であるペドロ・ホアキン・チャモロ氏は1978年に殺害されるまで同紙の編集者だった。
判決の詳細は明らかにされていないが、チポリ刑務所で有罪判決を受けた政治犯の多くが禁固13年を言い渡されている。