◎この時期、オーストラリアではラニーニャ現象により大雨やサイクロンが発生しやすくなる。
2022年3月7日/オーストラリア、ニューサウスウェールズ州シドニー、水没した車(Getty Images/AFP通信)

オーストラリアの東海岸ではこの2週間大雨が続いており、3月8日にはシドニーの住民数万人に避難命令が出た。

消防と警察によると、ニューサウスウェールズ州(NSW)とクイーンズランド州の広い範囲で洪水が発生し、8日時点で少なくとも20人の死亡を確認したという。

NSW警察は8日、シドニー郊外で2人の遺体を発見したと発表した。オーストラリア放送協会(ABC)によると、2人が見つかった地域では河川の氾濫による洪水が発生し、数分で首の高さまで水位が上昇したという。

NSW州首相は8日の記者会見で、「住民4万人に避難命令を出し、雨の状況によっては避難命令の対象地域を広げる可能性がある」と述べた。

報道によると、洪水で自宅を失ったNSWの住民800人以上が仮設住宅に入居したという。被害の全容はまだ分かっておらず、仮設住宅の利用者はさらに増える可能性がある。

また同州の危機管理局によると、過去24時間に2,500人以上が救助を要請したという。連邦政府は現地に軍を派遣している。

NSW州首相は、「命令や勧告が出ている地域の住民は安全が確保できない場合、速やかに避難しなければならない」と述べた。

予報官によると、東部の大雨は9日も続く可能性が高いとのこと。

この時期、オーストラリアではラニーニャ現象により大雨やサイクロンが発生しやすくなる。

シドニーは今年、過去30年間で最も雨の多い夏を迎え、約4,000km離れた西オーストラリア州の気温は過去最高を更新した。

2022年2月28日/オーストラリア、ニューサウスウェールズ州リズモア(Jason O'Brien/AAP/AP通信)
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