◎全米のレギュラー価格は1年前に比べると50%近く上昇している。
2022年3月7日/ニュージャージー州イングルウッドのガソリンスタンド(Seth Wenig/AP通信)

ロシア産原油の輸入禁止を求める声が高まる中、米国のガソリン価格は1ガロン(3.7854リットル)4ドルを上回り、2008年7月以来の高値に達した。

全米のガソリン価格はロシアがウクライナに侵攻する以前から上昇しており、戦争が始まるとさらに急上昇した。米国自動車協会(AAA)によると、1ガロンの全米レギュラー平均は過去1週間で45セント上昇し、3月7日には4.06ドルを上回ったという。

▽1ガロン4.06ドル(リッター123円)※1ドル115円で計算

ニューヨークのブルックリンにあるBPのガソリンスタンドで1ガロン4.29ドル(リッター130円)を支払った男性はAP通信の取材に対し、「徒歩通勤に切り替える時が来た」と語った。「10日ぶりに満タンにしました。信じられません...」

全米のレギュラー価格は1年前に比べると50%近く上昇している。

EUの状況はもっと悲惨で、欧州委員会によると、先週の平均価格はリッター1.75ユーロ(約220円)だった。

全米のガソリン価格を調査しているGasBuddyによると、全米平均はまもなく史上最高値を更新し、平均4.50ドル(リッター136円)に近づく可能性があるという。

エネルギー価格の高騰は米国が過去40年経験したことのない最悪のインフレを引き起こし、低中所得者層の生活を圧迫している。

原油価格は7日の取引開始と同時に高騰し、その後急落した。米国産原油は夜間に1バレル130ドルまで急騰した後、119ドル前後で落ち着いている。国際相場は139ドルまで急騰し、その後約123ドルまで下落。米国の主要株価指数は2%以上下落した。

米国は世界最大の産油国だが、最大の石油消費国であり、国産石油だけで需要を満たすことはできない。

米国は昨年、ロシア産原油を2億4500万バレル輸入した。これは石油総輸入の約8%に相当し、2020年の1億9800万バレルから大幅に増加した。

ウクライナに対するロシアの攻撃はますます激しくなっており、ロシアの石油や天然ガスを断ち切るべきという声が高まっている。欧州はロシアの天然ガスに大きく依存している。

ジョー・バイデン大統領はインフレがさらに進めば今年11月の中間選挙に影響が出ると懸念しており、ロシア産原油の輸入禁止に消極的である。

しかし、民主党のナンシー・ペロシ下院議長、多くの共和党員、そして民主党の上下両院議員は輸入禁止に賛成している。

アントニー・ブリンケン国務長官は6日、米国と同盟国は世界市場の状況を注視しつつ、輸入禁止に関する議論を行っていると述べた。

AP通信などによると、ホワイトハウスは制裁下に置かれている他の原油供給国に注目しているという。政府高官は週末にベネズエラを訪問し、原油と引き換えに経済制裁を緩和する可能性について議論したと噂されている。ロシアとベネズエラは良好な関係を維持している。

ニュージャージー州のガソリンスタンドで給油した女性はAP通信に、「政府の新たな措置に期待している」と語った。

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