FIFA、米国への入国を拒否されたソマリア人審判に報酬支払いへ
アルタン氏は2025年にアフリカサッカー連盟(CAF)の年間最優秀主審に選ばれた実力者で、2026W杯ではソマリア出身者として初めて本大会で笛を吹く予定だった。
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FIFAワールドカップの審判員に選出されながら、米国への入国を拒否されたソマリアの国際審判員アルタン(Omar Abdulkadir Artan)氏に対し、国際サッカー連盟(FIFA)が14日、大会に参加した場合と同額の報酬を支払う方針を明らかにした。大会運営への貢献が期待されながらも、本人の責任によらない事情で参加機会を失ったことへの配慮とみられる。
アルタン氏は2025年にアフリカサッカー連盟(CAF)の年間最優秀主審に選ばれた実力者で、2026W杯ではソマリア出身者として初めて本大会で笛を吹く予定だった。FIFAが選出した審判団の一員として渡米したが、今月上旬にマイアミ国際空港で米当局による追加審査を受けた後、入国不適格と判断され、ソマリアへ送還された。税関・国境警備局(CBP)は「審査上の懸念」を理由に挙げたが、具体的な内容は公表していない。
一部の米政府関係者はアルタン氏がテロ組織関係者とつながりを持つ疑いがあると主張している。しかし、本人はこうした疑惑を否定し、正式な米国査証(ビザ)を取得したうえで渡航していたことから、サッカー界では対応の妥当性を疑問視する声も上がっている。
FIFAは入国管理に関する決定権は開催国政府にあるとして判断への直接的なコメントを避けている。一方で、アルタン氏が大会に参加できなかったことによる経済的損失を補うため、W杯終了後に支払われる予定だった報酬を全額支給することを決定した。報酬額は公表されていないが、主審の報酬は数万ドル規模になるとみられている。
今回の措置には欧州サッカー連盟(UEFA)も連帯の姿勢を示した。UEFAは8月に開催されるUEFAスーパーカップの主審にアルタン氏を任命すると発表した。パリ・サンジェルマンとアストン・ヴィラが対戦するこの大会への起用は、同氏の能力と実績への信頼を示す象徴的な決定と受け止められている。
帰国したアルタン氏は首都モガディシオで大勢の市民や関係者から歓迎を受け、「今回の出来事は残念だったが、将来の大会を目指して努力を続ける」と語った。史上初のソマリア人W杯主審という夢は先送りとなったものの、FIFAとUEFAによる支援は国際サッカー界が同氏の功績と将来性を高く評価していることを示している。今回の問題は国際スポーツ大会と各国の入国管理政策との関係を改めて問いかける事例となった。
