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米国務省、キューバ指導部に追加制裁、関係改善の兆し見えず

今回の制裁はトランプ政権が進める対キューバ「最大限の圧力」政策の一環である。
2025年5月1日/キューバ、首都ハバナ、メーデー集会に出席したディアスカネル大統領(左)とラウル・カストロ前第1書記(AP通信)

米国務省は4日、キューバのディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領に対する新たな制裁措置を発表した。対象には同氏の妻やラウル・カストロ(Raul Castro)前第1書記の親族らも含まれる。米政府は人権侵害や反体制派への弾圧に関与したとして資産凍結などの措置を科し、共産党への圧力を一段と強める構えを示した。

今回の制裁はトランプ政権が進める対キューバ「最大限の圧力」政策の一環である。米国は今年に入り、キューバ経済の中核を担う軍系企業グループ「GAESA」や鉱業、観光関連企業に対する制裁を相次いで発動してきた。さらに外国企業や金融機関に対しても、キューバ政府や制裁対象組織との取引を続ければ二次制裁の対象になると警告している。

ルビオ(Maro Rubio)国務長官は声明で、「今回の措置はキューバ国民の意思を抑圧する体制の能力を制限するためのものだ」と説明した。米政府はディアスカネル氏が政治的自由を制限し、反体制活動家や独立系メディアに対する締め付けを続けていると批判している。

一方、キューバ政府は制裁を強く非難した。ディアスカネル氏は声明で、米国による経済封鎖と追加制裁を「強圧的で非人道的な政策」と批判し、国家主権への干渉だと述べた。ロドリゲス(Bruno Rodríguez Parrilla)外相も米国が国内の混乱をあおり、政権転覆を狙っていると主張した。

制裁強化の背景には、キューバが深刻な経済危機に直面している現状がある。燃料不足や慢性的な停電、食料や医薬品の供給難が続き、大規模な国外移住も発生している。米国は今年、石油輸送や金融取引への規制を強化し、その影響でクレジットカード大手のビザ(Visa)とマスターカード(Mastercard)との取引停止も決まった。観光業や輸入業への打撃はさらに拡大する見通しだ。

こうした中、両国は水面下で接触を行ったことも明らかになっているが、制裁強化によって関係改善の可能性は遠のいたとの見方が広がる。トランプ政権は政治・経済改革を求める姿勢を崩しておらず、さらなる制裁も示唆している。一方のキューバ政府は譲歩する姿勢を見せず、長年続く対立は新たな局面に入った。専門家は圧力強化によって政権が弱体化するか、それとも国民生活のさらなる悪化を招くだけに終わるかが今後の焦点になると指摘している。

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