ハイチ・ギャング襲撃、47人死亡、50人超拉致、国連が発表
ケンスコフは首都を見下ろす山間部に位置し、かつては比較的平穏な農業地域として知られていた。
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カリブ海のハイチで8月23日、首都ポルトープランス近郊のケンスコフ地区が武装ギャングに襲撃され、少なくとも47人が死亡、50人以上が誘拐された。国連ハイチ統合事務所(BINUH)が25日に明らかにしたもので、死者のうち少なくとも5人は子どもだった。今回の襲撃は同地区でこれまでに発生したギャング襲撃の中でも最大規模となった。
ケンスコフは首都を見下ろす山間部に位置し、かつては比較的平穏な農業地域として知られていた。しかし、2025年1月に最初の大規模攻撃が発生して以降、周辺では武装ギャングによる襲撃が断続的に続いていた。今回の攻撃では多くの住民が殺害されたほか、住宅が焼かれ、教会も破壊された。住民の中には家族を多数失った人もおり、犠牲者の遺体が路上に放置されるなど、深刻な被害が確認された。
襲撃にはハイチ最大のギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」が関与したとみられている。AP通信によると、ギャングは警察による反撃を警戒し、誘拐した人質を処刑すると脅迫しているという。今回の攻撃については、警察の対応能力を分散させ、すでに治安機関が限界に近い状況にある中で、さらに圧力を加える狙いがあったと指摘されている。
ハイチではギャングがポルトープランスの7割を支配下に置き、道路や港湾、病院などの重要インフラにも影響力を拡大している。国連によると、2026年1月~6月の間にギャング暴力で3000人以上が死亡、約150万人が避難を余儀なくされた。誘拐や性的暴力が蔓延し、住民の生命と生活を脅かす状況が続いている。
中央政府は治安回復に向けて警察の増強などを進めているが、ギャングの勢力拡大を食い止めることは容易ではない。12月には総選挙が予定されているものの、治安の悪化が続けば選挙実施や国家機能の回復にも影響を及ぼす可能性がある。
今回の虐殺と誘拐はハイチが直面する治安危機の深刻さを改めて浮き彫りにした。
