◎移民たちは23日未明にグアテマラ国境近くを出発した。
2023年4月23日/メキシコ、南部チアパス州タパチュラ、首都メキシコシティを目指す移民たち(Edgar Hernandez Clemente/AP通信)

メキシコ南部チアパス州タパチュラで23日、移民40人が死亡した先月の火災に抗議する集会が開かれ、移民約3000人が首都メキシコシティに向け出発した。

人々は火災が発生した北部チワワ州シウダー・フアレスの移民収容施設の廃止を要求している。

AP通信によると、移民たちは23日未明にグアテマラ国境近くを出発したという。

米フロリダ州への移住を希望するエルサルバドルの男性はAPに、「移民局の職員は私たちの同胞を焼き殺した」と語った。「私たちは正義を求めています。移民もメキシコ人も米国人も、みな同じ人間です」

人々はメキシコシティで政府に抗議した後、米国を目指すとみられる。APによると、その多くがベネズエラ、キューバ、エクアドル、コロンビア、ハイチ出身だという。

タパチュラの移民収容施設で出発を待つ移民は数万人と報告されている。移民局の書類審査が完了するまでそこを出ることはできない。

一方、メキシコの連邦検察は移民局の最高責任者を刑事告訴するとしている。

検察は移民局がシウダー・フアレスの移民収容施設の問題を認識していたにもかかわらず、対策を怠り、先月の惨事を防げなかったと指摘。度重なる「不作為」「無関心」「保身」が大事故につながったと批判している。

火災は先月27日に発生。施設に収容されていた移民40人が死亡し、数十人が重軽傷を負った。

警察は移民局の職員6人、警備員1人、施設内で火をつけたとされるベネズエラの移民1人を逮捕している。この8人は殺人や放火など、複数の容疑で起訴されるとみられる。

移民局は火災発生後も施設の封鎖を維持し、移民を誰一人外に出さなかった。

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