米国「サイクロスポーラ症」流行、メキシコ産レタスの調査進む
メキシコのケルシェノビッチ保健相は記者会見で、「メキシコ産レタスが感染源であることを裏付ける証拠はない」と述べた。

メキシコ政府は21日、米国で発生している腸管寄生虫による感染症「サイクロスポーラ症(Cyclosporiasis)」の集団感染について、自国産レタスが原因であることを示す証拠は現時点で確認されていないとの見解を示した。
米食品医薬品局(FDA)はメキシコ中部のテイラー・ファームズ関連施設で加工された細切りアイスバーグレタスが感染源である可能性を調査しているが、メキシコ側は科学的根拠が不十分だとして慎重な姿勢を強調している。
メキシコのケルシェノビッチ(David Kershenobich)保健相は記者会見で、「メキシコ産レタスが感染源であることを裏付ける証拠はない」と述べた。FDAは問題となったレタスからサイクロスポーラ原虫が検出されたと公表していたが、その後の品質管理の確認で、この検査結果は「偽陽性」だったと訂正している。一方でFDAは、患者の行動履歴や流通経路の追跡調査など疫学的な分析から、同社のメキシコ産レタスとの関連性が強いと判断し、調査を継続している。
今回の集団感染は米国内5州で発生し、多くの患者がファストフードチェーン大手タコベルの店舗で食事をした後に発症したとされる。サイクロスポーラ症は汚染された食品や水を介して感染し、激しい下痢や腹痛、吐き気などの症状を引き起こす。重症化して入院するケースも確認されており、FDAは対象となるレタス製品の自主回収を進めるとともに、消費者に対して回収対象製品を食べないよう呼びかけている。
これに対し、メキシコ政府は保健当局と農業当局による合同調査チームを設置し、生産施設の立ち入り検査や流通経路の追跡調査を開始した。予防的な安全確認を進める一方で、現段階ではメキシコ産農産物全体の安全性を疑う状況にはないとの立場を示している。対象企業についても、検査結果が誤りだった以上、科学的な証拠に基づく判断が必要だとしている。
米国とメキシコ当局はいずれも感染源の特定に向けた調査を続けており、最終的な結論が出るまでにはなお時間を要する見通しだ。食品由来感染症では検査だけで原因を断定できない場合も多く、流通経路や患者の喫食歴など複数の情報を組み合わせて原因究明が進められることになる。
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