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メキシコ2026年第1四半期GDPー0.6%、最悪シナリオは回避

前年同期比では0.2%のプラス成長を維持しており、市場予測の0.1%増を上回った。
メキシコ、首都メキシコシティ(ロイター通信)

メキシコ国家統計局INEGIが22日に発表した2026年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)改定値によると、同国経済は前期比0.6%のマイナス成長となった。景気後退への懸念が強まる中でのマイナス成長となったが、市場予想の0.8%減よりは小幅にとどまり、最悪のシナリオは回避されたとの見方も出ている。

今回のマイナス成長は2025年第4四半期の0.7%増から一転した形だ。産業別では農業や漁業、鉱業など第一次産業が1.7%減と大きく落ち込んだほか、製造業や建設業を含む第二次産業も1.0%減少した。サービス業など第三次産業も0.4%減となり、幅広い分野で減速が確認された。もっとも、前年同期比では0.2%のプラス成長を維持しており、市場予測の0.1%増を上回った。

経済減速の背景には国内需要の鈍化がある。高金利環境が続く中で企業投資や個人消費が弱含み、景気の勢いが失われつつある。加えて、中東情勢の緊迫化による原油価格上昇や、世界経済全体の減速懸念も重荷となっている。特にメキシコは米国経済との結び付きが強く、米国市場の減速は輸出や製造業に直接影響を及ぼす。

一方で、3月の経済活動指数は前月比で0.4%上昇し、市場予想を上回った。これにより、一部のエコノミストは「景気後退入りは避けられる可能性がある」と指摘している。また来月にはメキシコ・米国・カナダ共催によるFIFAワールドカップ開催を控え、観光やインフラ投資の拡大が一定の景気下支えになるとの期待もある。エコにミスとはワールドカップ関連需要によって年間GDP成長率が0.1ポイント押し上げられる可能性があると試算している。

こうした状況を受け、メキシコ中央銀行は5月上旬に政策金利を0.25ポイント引き下げ、6.50%とした。ただ、理事会内では追加利下げに慎重な意見も強く、今後の金融政策運営は難しい局面を迎えている。インフレ率は依然として警戒水準にあり、急速な利下げは通貨ペソ安を招く恐れがあるためだ。

さらに、国際格付け会社ムーディーズは今月、メキシコの信用格付けを引き下げた。背景には、国営石油会社ペメックスへの継続的な財政支援や税収基盤の弱さがある。政府債務への懸念が高まる中、景気低迷が長引けば財政負担はさらに増す可能性がある。

シェインバウム政権は年間成長率見通しを1.8~2.8%に据え置いているが、市場ではより慎重な見方が広がっている。世界経済の不透明感が強まる中、メキシコ経済が回復軌道に戻れるかどうかが注目されている。

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