◎警察官3人はポルトープランス南部に拠点を置く「ティ・マカク」と呼ばれるギャングに殺害された。
2021年10月22日/ハイチ、首都ポルトープランス、ギャンググループ「G9&Family」の構成員(Getty Images)

ハイチ政府は15日、首都ポルトープランス郊外で警察官3人が殺害された事件にギャングが関与していると発表した。

地元警察によると、警察官3人はポルトープランス南部に拠点を置く「ティ・マカク(Ti Makak)」と呼ばれるギャングに13日に殺害されたという。

ティ・マカクはポルトープランスで「無法者」と呼ばれ、恐れられている。

この地域では複数のギャングが入り乱れる縄張り争いが展開されており、殺人事件が多発している。13日にはこの地域で取材を行っていたジャーナリスト2人が射殺され、先月にも元上院議員とその甥が焼死体で発見された。

地元警察は14日の声明で警察官3人が殺害されたことに言及し、ギャングの暴力を「反吐が出るほど悪趣味」と糾弾した。

ソーシャルメディアには殺害された警察官3人とみられる遺体の映像が共有されている。

この映像を撮影した男は、「遺体はここにある」と説明している。

ハイチの治安は昨年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3カ月ほど前から「G9&Family」と「G-Pep」と呼ばれる2つのギャングが地域の支配権をめぐって激しい戦闘を繰り広げており、国連によると、7月中旬以降の死者、負傷者、行方不明者は確認できているだけで500人を超え、数千人が国内避難民になった。

経済状況も悪化の一途をたどっており、米国から輸入される日用品の価格はこの数カ月で4倍以上に値上がりし、ガソリンの入手も困難になった。

国際社会はここ数カ月、ハイチに支援と訓練を提供することで、警察の力を回復させようとしている。

政府は15日の声明で、「銃の認証許可をすべて取り消す」と発表。命令を無視した者は厳しい取り調べに直面すると警告した。

2021年11月4日/ハイチ、首都ポルトープランス(Getty Images/AFP通信)
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