◎ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
中米ハイチで今年5月に米国人宣教師の夫婦と非営利団体の代表が射殺された事件について、警察当局は22日、この殺害に関与したとされる男を逮捕したと明らかにした。
宣教師夫婦と米オクラホマ州に拠点を置く非営利団体のハイチ人男性は5月23日、首都ポルトープランスで何者かに射殺された。
国家警察は3人がギャング間抗争に巻き込まれて死亡したという見方を示していた。
現地メディアによると、逮捕されたのは52歳の男。身元、認否、起訴されたかどうか、ギャングに所属しているかどうかなど、詳細は明らかになっていない。
国家警察がSNSに投稿した動画には容疑者が事件への関与を否定する様子が映っている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
警察は容疑者が3人を殺害した後に携帯電話を使って事件への関与をほのめかしたと主張。容疑者はこれを否定している。
ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。