ドミニカとハイチ、2026年5月に航空便再開、ギャング戦争続く中
空域閉鎖の背景にはハイチの深刻な治安悪化があった。
.jpg)
カリブ海の島国ドミニカ共和国とハイチが18日、2年以上にわたり停止していた両国間の空域を2026年5月に再開することで合意した。これにより、長く途絶えていた航空便が復活し、人の往来や経済活動の回復に向けた一歩となる。
両国政府は共同声明で、空域再開によりドミニカ側の複数空港と、ハイチ北部の都市カパイシアンを結ぶ定期便が再開されると発表した。航空路の復活は2024年3月以来、約2年ぶりの正常化となる。
空域閉鎖の背景にはハイチの深刻な治安悪化があった。2021年にモイーズ(Jovenel Moise)大統領が暗殺されて以降、同国では政治的混乱と武装ギャングによる暴力が拡大し、社会不安が続いている。こうした状況を受けてドミニカは安全上の理由から空域を閉鎖し、例外的に人道目的の飛行のみを認めていた。
さらに両国関係は国境を流れる河川をめぐる対立でも悪化していた。ハイチ側の事業者が灌漑用水路を建設したことに対し、ドミニカ側は環境や農業への悪影響を懸念して強く反発し、外交的緊張が高まっていた。この問題も空域閉鎖の一因となっていた。
今回の再開合意はこうした対立を踏まえた二国間協議の成果である。協議では主に国境管理や監視体制、移民問題、貿易の在り方などが議題となり、両国は関係改善に向けた現実的な措置として空域再開に踏み切った。声明では「人の移動を促進し、経済関係を強化し、両国関係を改善することが目的だ」と強調されている。
また、今回の決定の背景には国際社会の関与もある。特に国連はハイチの治安回復や国家機能の再建に向けた支援を続けており、両国はその支援に謝意を示した。ハイチ国内では依然としてギャング暴力や政治的不安定が続くものの、安定化に向けた動きも見られることが、今回の合意を後押ししたとみられる。
空域の再開は経済面でも重要な意味を持つ。両国はイスパニョーラ島を共有し、人の移動や物流が密接に結びついている。航空便の停止は観光やビジネス、家族間の往来に大きな影響を与え、再開によって経済活動の回復が期待されている。
もっとも、課題が解消されたわけではない。ハイチでは依然としてギャングの影響力が強く、首都ポルトープランス周辺では治安の不安定さが続く。空域再開が持続的な関係改善につながるかどうかは、今後の治安状況や政治の安定に大きく左右される。
それでも今回の合意は緊張が続いていた両国関係における転機と位置付けられる。航空路の再開は単なる交通手段の復活にとどまらず、外交的対話と協力の再開を象徴するものでもある。カリブ地域の安定に向けた試金石として、その行方が注目されている。
