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コロンビア大統領が米国の対ラテンアメリカ政策を批判「反乱が起きる」


ペトロ氏はスペイン紙のインタビューで、米国が制裁や圧力を通じて中南米諸国の政治に影響力を行使していると強く批判した。
トランプ米大統領(左)とコロンビアのペトロ大統領(Getty Images)

コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は18日、米国の対ラテンアメリカ政策が変わらなければ、地域全体で「反乱」が起きる可能性があると警告し、米国との関係をめぐる緊張が改めて浮き彫りとなった。

ペトロ氏はスペイン紙のインタビューで、米国が制裁や圧力を通じて中南米諸国の政治に影響力を行使していると強く批判した。特に、米財務省の制裁措置が「異なる政治的立場をとる指導者に対する圧力手段として使われている」と指摘し、これが地域の反発を招いていると主張した。

その上で、こうした構図を歴史的な植民地支配になぞらえ、「かつてスペイン王による支配に対してラテンアメリカが選んだ道は反乱だった」と述べ、同様の動きが現代にも起こり得ると警鐘を鳴らした。米国が政策を見直さなければ、「再び反乱が起きるだろう」との見方を示している。

ペトロ氏の発言の背景には、米国と中南米諸国の関係悪化がある。トランプ(Donald Trump)大統領は麻薬対策や安全保障を理由に軍事的・経済的圧力を強め、これに対して一部の左派政権が反発している。ペトロ氏自身も麻薬取引への関与疑惑を理由に米国の制裁対象となり、こうした措置を「政治的動機によるもの」と批判してきた経緯がある。

さらにペトロ氏は2026年1月に米国がベネズエラの首都カラカスを攻撃した作戦にも言及し、この出来事が地域の指導者たちに強い恐怖を与えたと述べた。こうした軍事行動が米国への不信感を増幅させているとの認識を示している。

一方で、ペトロ氏は全面的な対立を望んでいるわけではないとも強調した。トランプ氏との個人的関係については「良好だ」と述べ、最近も複数回にわたり対話を行ったことを明らかにした。両者は互いの誤解を解消し、「対等な立場」で意見交換を行ったとしている。

ペトロ氏はまた、コロンビアが米国に従属するのではなく、主権国家として対等な関係を築くべきだと強調。「ひざまずいて頼みに行ったのではない」と語り、独立した外交姿勢を貫く考えを示した。

ペトロ政権は2022年に発足、憲法により大統領の再選は禁止されているため、同氏の任期は2026年8月で終了する予定だ。任期終盤に差し掛かる中での今回の発言は自身の政治的総括と同時に、今後の中南米と米国の関係に対する警告としての意味合いも持つ。

今回の発言は単なる外交的批判にとどまらず、歴史的文脈を踏まえた強い表現で米国の影響力に異議を唱えた点で注目される。中南米では近年、左派政権の台頭や資源・主権をめぐる議論が活発化しており、対米関係の見直しを求める声が広がっている。

ペトロ氏の警告が現実の政治動向にどの程度影響を与えるかは不透明だが、米国の政策次第では地域の結束や対抗姿勢が強まる可能性もある。中南米と米国の関係は今後も揺れ動く局面が続くとみられ、その行方は国際政治全体にも影響を及ぼすことになりそうだ。

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