SHARE:

キューバ政府、米国高官との協議認める、エネルギー封鎖の解除要求


両国の直接対話が島内で行われるのは2016年以来で、緊張関係が続く中での外交的接触として注目されている。
2026年4月16日/キューバ、首都ハバナ、社会主義宣言から65周年を記念する集会(ロイター通信)

キューバ政府は20日、同国で米国政府高官との会合が最近開催されたことを公式に認めた。両国の直接対話が島内で行われるのは2016年以来で、緊張関係が続く中での外交的接触として注目されている。会合は今月実施されたとみられるが、正確な日時や参加した米関係者は明らかにされていない。

キューバ外務省の報道官によると、会合には米国務省の次官補級が参加、キューバ側は外務次官級が応じた。協議は「敬意と専門性をもって行われた」とされ、米側から具体的な期限や要求は示されなかったという。

一方で、キューバ側が最優先課題として掲げたのは、米国による「エネルギー封鎖」の解除であった。報道官はこれを「国民全体に対する不当な経済的懲罰」で、「自由貿易の原則に反する強制措置」と批判した。さらに、第三国がキューバへ燃料を輸出する権利を阻害する点についても「主権国家への国際的な脅迫」と位置付け、解除の必要性を訴えた。

このエネルギー封鎖は2026年に入り米国が対キューバ制裁を強化する中で顕在化した。特に原油供給の遮断は深刻で、電力不足や長時間の停電、公共交通の混乱、食料や医薬品の不足など、国民生活に広範な影響を及ぼしている。観光業も急速に落ち込み、経済全体がソ連崩壊に伴う1990年代の混乱に匹敵する危機に直面していると指摘される。

米側は制裁解除の条件として、政治的抑圧の停止や政治犯の釈放、経済の自由化といった改革を共産党に求めている。報道によると、米側は改革実施の「機会」があると伝えたという。対話は一定の圧力のもとで進められている。

背景にはトランプ(Donald Trump)大統領による強硬姿勢がある。トランプ氏はキューバに石油を供給する国に対して関税を課す可能性を示唆し、場合によっては軍事介入も辞さない姿勢を示してきた。これに対し、ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は軍事衝突を望まないとしつつも、主権防衛のために対抗する用意があると表明している。

今回の会合はこうした緊張の中で行われ、関係改善の突破口となるかは不透明である。ただし、米政府機がキューバを訪れ高官協議が行われた点は、両国が完全な対立に陥っていないことを示すシグナルとも受け止められている。

キューバ側は引き続き対話の継続を望む姿勢を示しているが、制裁解除をめぐる立場の隔たりは大きい。エネルギー危機が深刻化する中で、外交交渉が実質的な改善につながるかどうかが今後の焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします