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コスタリカ大統領と司法の対立激化、組織犯罪への対応めぐり

フェルナンデス氏は隣国エルサルバドルの強硬な治安対策を参考にした政策を掲げ、犯罪組織への取り締まり強化を推進している。
コスタリカ、首都サンノゼ、フェルナンデス大統領(ロイター通信)

中米コスタリカのフェルナンデス(Laura Fernández Delgado)大統領が麻薬組織による暴力への対応を巡って司法当局との対立を深めている。かつて中米有数の治安の良い国として知られた同国では近年、麻薬組織の活動拡大を背景に殺人事件が急増しており、行政と司法の対立が国家の治安対策を停滞させるとの懸念が高まっている。

フェルナンデス氏は隣国エルサルバドルの強硬な治安対策を参考にした政策を掲げ、犯罪組織への取り締まり強化を推進している。しかし、司法予算の大幅削減や、検事総長の任命権を最高裁判所から議会へ移す法案を打ち出したことから、司法当局との関係が急速に悪化した。

フェルナンデス氏は司法機関が犯罪組織に侵食されていると主張し、「犯罪者を守っている」と批判してきた。一方、司法側はこうした指摘を全面的に否定し、証拠を示すよう政府に求めている。また、予算削減や政治介入は司法の独立を損ない、民主主義の根幹である三権分立を脅かすと反発している。

コスタリカでは近年、南米から北米へ向かうコカイン密輸ルート上に位置する地理的条件を背景に、国際的な麻薬カルテルの活動が活発化している。2025年の殺人発生率は人口10万人当たり17.2件と、10年前のおよそ2倍に達し、現在も平均すると1日2件殺人事件が発生している。治安悪化は国民の最大の関心事となっている。

内務省は殺人事件の有罪率が38%にとどまっていることが犯罪抑止を困難にしていると指摘し、司法制度の改革が不可欠との考えを示している。一方で専門家は、犯罪対策には政府と司法機関の緊密な連携が欠かせず、双方の対立が続けば組織犯罪への対応力が低下する恐れがあると警鐘を鳴らしている。

歴代政権の下で民主主義と法の支配を重視してきたコスタリカは、中米では例外的な安定国家とみなされてきた。しかし、急速な治安悪化に加え、行政と司法の対立が表面化したことで、犯罪対策と民主的統治の両立という難題に直面している。国民の不安が高まる中、政府と司法が協調して実効性のある対策を打ち出せるかが今後の焦点となる。

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