ジンバブエ上院、ムナンガグワ大統領(83歳)の任期延長を含む憲法改正案可決
同法案は次期大統領選挙を2028年から2030年へ延期するとともに、大統領の選出方法を国民による直接選挙から議会による選出へ変更する内容を含む。
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アフリカ南部・ジンバブエの議会上院が24日、憲法改正案を圧倒的賛成多数で可決した。同法案は次期大統領選挙を2028年から2030年へ延期するとともに、大統領の選出方法を国民による直接選挙から議会による選出へ変更する内容を含む。ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa、83歳)大統領の署名を経て成立する見通しで、国内外から民主主義の後退を懸念する声が高まっている。
上院採決では75人が賛成、4人が反対した。法案は下院でも圧倒的多数の支持を得ており、与党ZANU-PF(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)が主導して成立への道筋をつけた。改正案では大統領および国会議員の任期を現行の5年から7年へ延長することも盛り込まれている。これにより、現在83歳のムナンガグワ氏は2030年まで政権を維持できる可能性が高まった。
ムナンガグワ氏は2017年、独裁者ムガベ(Robert Mugabe)前大統領の失脚後に政権を掌握した。これまで2028年の任期満了後に退任する意向を示していたが、与党内では「2030年まで続投」を求める声が強まっていた。今回の法改正はそうした動きを制度的に裏付けるものと受け止められている。
政府は改革の目的について、選挙による政治的対立を抑え、政策の継続性と国家運営の安定を確保するためだと説明している。また、大統領の任期制限そのものは維持されるため、憲法の基本原則は損なわれないと主張している。
しかし野党や人権団体、憲法学者らは強く反発している。特に大統領選挙の廃止は国民主権を損なうもので、任期延長のような重要な憲法改正には国民投票が必要だと指摘する。反対派は今回の改正を「憲法クーデター」と非難し、権力の集中を招くと警告した。法案審議の過程では反対派の活動家や政治家への嫌がらせも報告され、政治的緊張が高まっている。
ジンバブエは1980年の独立以来、ZANU-PFによる長期支配が続いてきた。近年も選挙の公正性を巡る批判が絶えず、民主化の停滞が指摘されている。今回の法改正が成立すれば、大統領選挙という国民参加の重要な機会が失われることになり、民主主義のあり方に大きな転換点をもたらす可能性がある。
