米最高裁、ハイチおよびシリア移民の一時保護資格(TPS)打ち切り認める
TPSは戦争や自然災害、深刻な社会不安などによって母国への安全な帰還が困難な外国人に対し、米国での滞在と就労を一時的に認める制度である。
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米連邦最高裁判所は25日、シリア人とハイチ人に付与されていた一時保護資格(TPS)の打ち切りを認める判断を示し、トランプ政権にとって移民政策を巡る大きな勝利となった。これにより、米国内で暮らす約35万人のハイチ人と約6100人のシリア人が、将来的に強制送還の対象となる可能性が高まった。
TPSは戦争や自然災害、深刻な社会不安などによって母国への安全な帰還が困難な外国人に対し、米国での滞在と就労を一時的に認める制度である。ハイチ人には2010年の大地震後に、シリア人には2012年の内戦勃発後に適用され、その後も現地情勢の悪化を理由に延長が繰り返されてきた。
今回の訴訟では、トランプ政権がTPSの終了を決定したことに対し、移民支援団体や当事者らが「手続き上の問題があるほか、人種的偏見に基づく判断だ」と主張していた。これまで連邦地裁は政権側の措置を差し止めていたが、最高裁は6対3の保守派多数で下級審判断を覆した。
最高裁はTPS制度を定めた法律が国土安全保障長官による保護資格終了の判断について司法審査を制限していると指摘した。その上で、政権側の決定に違法性や差別的意図が認められたとは言えないとの見解を示した。これにより、TPSの延長や終了を巡る行政判断に対する裁判所の介入余地は大幅に狭まることになる。
一方、リベラル派判事は反対意見を表明した。反対派は政府が法定手続きを十分に踏んだかどうかは司法審査の対象になると主張し、トランプ(Donald Trump)大統領による過去の移民関連発言などを踏まえれば、人種的偏見の疑いを十分に検討すべきだったと批判した。
移民団体や人権団体は判決に強く反発している。ハイチでは武装ギャングによる暴力や治安悪化が続き、シリアでも内戦終結後なお不安定な状況が残る。米国務省も両国への渡航に警戒を呼びかけており、支援団体は「危険な地域への帰還を強いられる恐れがある」と懸念を示している。
今回の判決は、トランプ政権が進める移民規制強化の一環と位置付けられている。政権は不法移民対策だけでなく、これまで人道的理由で認められてきた各種保護制度の見直しを進め、最高裁もその方針を支持する判断を示してきた。専門家の間では、この判断が他国出身のTPS保有者にも波及し、最大で130万人規模の移民の法的地位に影響を与える可能性があるとの見方が出ている。
