◎サイード大統領は2021年7月末に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖、権力を手中に収めた。
チュニジア、首都チュニス、サイード大統領(Getty Images/AFP通信)

チュニジアの首都チュニスで2011年の民主化運動(ジャスミン革命)とアラブの春を祝う集会が開かれ、数百人が市内を行進した。

野党議員を含むデモ隊は「サイード(大統領)が民主主義を破壊した」「革命を無にするな」とシュプレヒコールを上げた。

参加者のひとりは地元テレビ局の取材に対し、「西側の民主国家はサイードの独裁を支持しているように見える」と嘆いた。「どうして米国はサイードを非難しないの?」

多くの人々がサイード(Kais Saied)大統領が示した方向性と統治に落胆していると表明したが、デモの規模は例年より小規模となり、政治的無関心が広がっているように見えた。

サイード氏は今年11月に予定されている大統領選で再選を目指すとみられる。

サイード氏は2021年7月末に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖、権力を手中に収めた。

野党と活動家はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。議会は2022年3月に解体され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は10%に届かなかった。

治安当局は国家転覆を画策したなどとしてイスラム政党「アンナハダ(Ennahda)」の議員を含むサイード氏の政敵を20人以上逮捕した。

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