◎治安部隊は24日の抗議デモに参加したハルツームの市民少なくとも2人を射殺し、別の都市でも男性1人を殺害した。
2022年1月24日/スーダン、首都ハルツームの抗議デモ(Marwan Ali/AP通信)

1月24日、スーダンの首都ハルツームで3か月前の軍事クーデターと軍民合同政府に反対する数千人規模の抗議デモが行われ、一部の抗議者と治安部隊が衝突した。

人権団体によると、24日のデモはハルツームの姉妹都市オムドゥルマンやダルフール地域の都市などでも開催されたという。

国軍は昨年10月25日にアブダッラー・ハムドゥーク首相と政府高官を拘束し、軍民合同政府「ソブリン評議会」を解散させ、2023年7月の選挙まで権力を維持すると発表した。

軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを追放し、国を民主主義に導くソブリン評議会を創設したが、昨年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。

ハムドゥーク首相とクーデターの首謀者であるアブデル・ファッタ・バーハン将軍は11月、権力共有協定に署名し新たな軍民合同政府を発足させたが、協定の内容は一切明らかにされておらず、民主勢力は軍の権力が強化された可能性に懸念を表明し、各地で抗議デモを続けてきた。

2019年の革命を主導したスーダン医師委員会によると、治安部隊は24日の抗議デモに参加したハルツームの市民少なくとも2人を射殺し、別の都市でも男性1人を殺害したという。これでデモの犠牲者は確認されているだけで76人になった。

スーダン医師委員会は声明の中で、「治安部隊は大統領宮殿近くの抗議者を実弾で脅し、解散させた」と述べた。

ソーシャルメディアには抗議グループに催涙ガス弾を撃ち込む治安部隊の様子が映っていた。抗議者たちは投石で応戦したものの、威嚇射撃が始まると一斉に逃げ出した。

ハルツームのデモに参加した女性は地元メディアに、「文民政府と文民統制が確立されるまで抗議を続ける」と誓った。

ハムドゥーク首相とバーハン将軍はデモの取り締まりに実弾が使用されているという国際社会の懸念を無視しし続けており、24日のデモに関する声明も今のところ発表していない。国連は12月19日のデモ中に治安部隊が抗議者をレイプしたという申し立てに懸念を表明し、政府を非難した。

国連の使節は軍民合同政府と反対派勢力の溝を埋めるために、野党勢力と協議を続けている。

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