◎イスラム過激派組織アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつで、ソマリア南部と中部の大部分を支配し、首都モガディシオ近郊まで支配地域を拡大していた。
2023年2月21日/ソマリア、首都モガディシオの通り(Hassan Ali Elmi/AFP通信/Getty Images)

ソマリア政府は21日、イスラム過激派組織アルシャバーブの戦闘員が首都モガディシオ北部の住宅を襲撃し、民間人少なくとも10人を殺害したと発表した。

地元メディアなどによると、アルシャバーブを支援するウェブサイトが犯行声明を出したという。

政府報道官はAFP通信の取材に対し、「テロリストは21日の12時頃(現地時間)にモガディシオ北部の住宅地を急襲した」と語った。

報道官によると、陸軍と民兵の合同チームは多くの民間人を救助したという。このうち3人が負傷し医療機関に搬送された。

アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつで、ソマリア南部と中部の大部分を支配し、モガディシオ近郊まで支配地域を拡大していた。

現場で対応に当たった兵士はAFPの取材に対し、「テロリストの1人が住宅入り口で自爆。扉を破壊し、別のテロリストが建物に突入した」と語った。

別の兵士は「アルシャバーブは連合軍には勝てないと悟り、兵士のいない民家を攻撃した」と語った。「彼らは卑怯者の弱虫テロリストです」

地元メディアによると、作戦は数時間で終了したという。攻撃に関与したアルシャバーブの戦闘員がどうなったかは明らかになっていない。

アルシャバーブはシャリア(イスラム法)に基づく国家の建設と、東アフリカに駐留する外国軍の撤退を求め、ソマリア軍だけでなく、ケニアの首都ナイロビや米軍の軍事基地などにも攻撃を仕掛けている。

AFPによると、ソマリア軍は米軍とアフリカ連合(AU)軍の後方支援を受け、アルシャバーブに奪われた領土を奪還しつつあるという。

しかし、アルシャバーブは依然として地方の一部地域を支配し、そこからモガディシオや近隣諸国に攻撃を仕掛けている。

米国はアルシャバーブを「アルカイダ系の最凶組織」と評している。

モガディシオの政府機関前で昨年10月に発生したアルシャバーブによる自動車爆弾攻撃では120人以上が死亡。バナディール州の政府事務所で先月発生した襲撃事件では5人が死亡している。

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