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セネガル、燃料補助金が国家財政圧迫、当初予算を20億ドル上回る

セネガル政府は生活費高騰を抑えるため、燃料価格を据え置く方針を維持している。
2023年6月3日/セネガル、首都ダカール(Leo Correa/AP通信)

アフリカ西部・セネガルで燃料補助金が国家財政を圧迫している。政府は22日、原油価格の高騰が続けば、2026年の燃料補助金支出が当初予算を最大約20億ドル上回る可能性があるとの見通しを明らかにした。中東情勢の緊迫化による原油高が背景にあり、政府は難しい財政運営を迫られている。

ディバ(Cheikh Diba)財務相は議会で、原油価格が1バレル=115ドルに達した場合、燃料補助金は最大1兆3900億CFAフラン(約3900億円)に膨らむと説明した。政府は当初、2026年の補助金として2500億CFAフラン(約700億円)を計上していたが、大幅な超過が見込まれる形となる。

背景には、米イラン戦争以降の原油価格上昇がある。ブレント原油先物は100ドル台で推移しており、エネルギー輸入への依存度が高いアフリカ諸国では、燃料価格高騰が経済に打撃を与えている。

セネガル政府は生活費高騰を抑えるため、燃料価格を据え置く方針を維持している。ディバ氏によると、同氏は補助金の削減を提案したものの、ソンコ(Ousmane Sonko)首相はこれを拒否したという。ソンコ氏は議会演説で、「国民に負担を転嫁しないため、あらゆる手段を講じる」と強調した。

しかし、補助金維持には大きな代償が伴う。追加負担は国家予算全体の5分の1に相当し、既に悪化している財政状況をさらに圧迫する恐れがある。セネガルでは2024年、ソンコ政権が前政権下で未報告だった巨額債務を公表し、財政不安が急速に拡大した。未報告債務は最大130億ドル規模に達し、国際通貨基金(IMF)が金融支援を停止。国際債券市場へのアクセスも事実上閉ざされている。

こうした中、政府はIMFとの協議再開を目指している。ディバ氏は6月上旬にもIMFとの実務者協議を再開し、月末までに主要論点で合意したい考えを示した。最大の争点は債務処理問題で、ファイ(Bassirou Diomaye Faye)大統領がIMFに新たな提案を行ったという。

セネガルは近年、石油・天然ガス生産国としても注目されている。原油価格上昇は歳入増加にもつながり、政府は2026年に最大1850億CFAフランの追加収入を見込む。ただし、補助金増加分を埋め合わせるには不十分との見方が強い。

燃料補助金を巡る問題は、多くの新興国が抱える共通課題でもある。国民生活の安定を優先すれば財政赤字が拡大し、補助金削減に踏み切ればインフレや社会不安を招きかねない。セネガル政府は財政再建と国民負担軽減という難題の間で、厳しい選択を迫られている。

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