コンゴ反政府勢力M23、仲介役の米国を非難、東部紛争収まらず
問題となっているのは、米国が仲介したコンゴとルワンダの和平合意である。
の指導者ら(ロイター通信).jpg)
コンゴ民主共和国東部で続く紛争を巡り、ルワンダ政府の支援を受ける反政府勢力「M23(3月23日運動)」を含む武装連合が10日、和平仲介役を担う米国の対応を厳しく批判した。M23側は米国がコンゴ政府に対して十分な圧力をかけておらず、「中立性を欠いている」と主張している。
問題となっているのは、米国が仲介したコンゴとルワンダの和平合意である。両国は2025年、長年続く東部地域の紛争終結を目指し、ワシントンDCで和平協定に署名した。協定では、武装勢力の活動停止や国境地帯の安定化に加え、レアアースなど希少鉱物資源の共同開発を含む経済協力構想も盛り込まれた。トランプ政権はこれを外交成果として強調、トランプ(Donald Trump)大統領自身も「歴史的合意」と評価していた。
しかし、現地では依然として戦闘が続いている。M23は2025年初頭、北キブ州の州都ゴマや南キブ州ブカブを制圧し、勢力を急拡大させた。国連などによると、東部地域では100以上の武装勢力が活動し、鉱物資源の利権を巡る争いが長年続いている。戦闘激化によって数千人が死亡し、700万人以上が避難を余儀なくされるなど、人道危機も深刻化している。
今回、反政府勢力を束ねる「コンゴ川同盟」の指導者コルネイユ・ナンガア(Corneille Nangaa)氏はルビオ(Maro Rubio)米国務長官宛ての書簡で、米国がコンゴ政府の和平合意違反には沈黙していると非難した。書簡では「米国の仲介は公平性と中立性を維持できていない」と指摘し、現在の調停姿勢では和平プロセスへの信頼が損なわれると警告している。
反政府勢力側が特に反発しているのは、米政府による制裁措置だ。米国は今年、M23を支援したとしてルワンダ軍幹部らに制裁を科したほか、先月には反政府勢力への資金提供に関与した疑いで、コンゴのカビラ(Joseph Kabila)前大統領にも制裁を発動した。米財務省はカビラ氏が反政府勢力を通じて政情不安を助長したとして資産凍結などの措置を取っている。
一方、コンゴ政府や国連専門家は、一貫してルワンダによるM23支援を指摘している。国連推計では、M23の戦闘員は6500人規模に拡大したとされるが、ルワンダ政府は支援関与を否定している。
専門家の間では、米国の仲介によってルワンダとコンゴの全面対立が一定程度抑制されたとの評価がある一方、現場レベルでの停戦実現には至っていないとの見方が強い。和平合意にM23自体が参加していないことや、鉱物資源開発を重視する米国の姿勢に対し、「資源外交が前面に出過ぎている」との批判も出ている。コンゴ東部の和平実現には、武装勢力を含む包括的な政治対話が不可欠との指摘が強まっている。
