2026FIFAワールドカップ、猛暑やハリケーンとの闘いに
開催都市の多くが夏場に高温となる地域に位置しており、選手や観客の健康リスク、試合運営への影響が指摘されている。
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米国、カナダ、メキシコの3カ国で共催される2026FIFAワールドカップは史上最多となる48チーム参加の巨大大会となる一方、猛暑や豪雨など気象の影響が懸念されている。開催都市の多くが夏場に高温となる地域に位置しており、選手や観客の健康リスク、試合運営への影響が指摘されている。
特に問題視されているのが北米の夏の暑さだ。米南部のダラス、ヒューストン、アトランタ、メキシコのモンテレイなどでは、6〜7月に気温が35度に達することも珍しくない。湿度も高く、大会中に暑さ指数が危険域に入る可能性がある。英クイーンズ大学ベルファスト校の研究では、一部開催地では選手への「熱ストレス」が2022カタール大会以上になる恐れがあるという。
高温環境では、選手の運動能力低下だけでなく、熱中症や脱水症状の危険が高まる。サッカーは90分以上にわたり高強度の運動を続ける競技で、暑熱条件下では走行距離やスプリント回数が減少するとの研究もある。観客側も長時間の屋外待機を強いられるため、高齢者や子どもを中心に健康被害が懸念される。
こうした状況を受け、FIFAはすでに対策を進めている。2025年のクラブW杯では高温下での試合が問題となり、2026大会では各試合に給水休憩を義務化する方針を決めた。また、専門家委員会は午後の試合開始を避け、夕方から夜間開催を増やすべきだと提言している。スタジアムの一部には屋根や空調設備があるものの、すべての会場が対応できるわけではない。
一方、猛暑だけでなく、雷雨やハリケーンの影響も懸念される。北米では夏場に激しい雷雨が発生しやすく、米国では落雷の危険がある場合、スポーツイベントを中断する規定が設けられている。実際、近年の米国開催サッカー大会でも雷雨による試合中断が相次いだ。大会期間中にメキシコ湾沿岸や米東海岸へ熱帯低気圧が接近すれば、交通網の混乱や日程変更につながる可能性もある。
さらに、気候変動によって極端気象の頻度と強度が増しているとの指摘も背景にある。近年は世界的な気温上昇に加え、「スーパーエルニーニョ」発生の可能性も議論されており、2026〜27年にかけて異常高温や豪雨が増えるとの予測も出ている。国連は極端な暑さが人間の健康や社会活動に深刻な影響を及ぼすと警告している。
2026W杯(6.11~7.19)は史上最大規模の大会となるが、その成功には競技運営だけでなく、気候リスクへの適応が不可欠となる。試合時間の調整、観客への暑熱対策、緊急医療体制の強化など、従来以上に「天候との戦い」が重要なテーマとなりそうだ。
