ケニア首都で「ジェンダー暴力」に抗議するデモ、政府に対応求める
参加者は棺を模したオブジェを運び、「女性を殺すな」「暴力を終わらせろ」と書かれたプラカードを掲げて抗議の意思を示した。
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アフリカ東部・ケニアの首都ナイロビで6月1日、女性に対する暴力の増加に抗議するデモが行われ、参加者らは政府に対し、ジェンダーに基づく暴力を国家的危機として宣言するよう求めた。近年、女性殺害や家庭内暴力が深刻化しているとして、市民団体や女性権利団体は政府に対応強化を訴えている。
デモには数百人の女性らが参加し、警察の護衛を受けながら市中心部を行進した。参加者は棺を模したオブジェを運び、「女性を殺すな」「暴力を終わらせろ」と書かれたプラカードを掲げて抗議の意思を示した。また、最近相次いで報告されている子どもの失踪事件についても問題提起し、当局に迅速な捜査と対策を求めた。
今回の抗議行動の背景には、女性歌手がガソリンをかけられて焼き殺された事件がある。女性団体は、この事件を象徴的な例として取り上げ、国内で続く女性への暴力に社会の関心を向けようとしている。活動家らは、女性が家庭や親密な関係の中で命を落とすケースが後を絶たないと指摘し、政府の対応は不十分だと批判した。
デモ参加者の1人はAP通信の取材に対し、自身も恋人から刺される被害を受けた経験があり、さらに母親も暴力によって命を落としたと語った。また「多くの女性が殺されているのに、十分な行動が取られていない」と訴え、政府や女性議員に対してより積極的な対応を求めた。
国家警察は先月末、ジェンダーに基づく暴力を中心に捜査する新たな部門を設置したと発表した。新組織には犯罪分析官や法医学専門家、捜査官らが参加し、急増する事件への対応強化を図るとしている。警察によると、多くの事案は家庭内トラブルや親密な関係にある相手からの暴力、性的犯罪などに関連しているという。
ナイロビやモンバサなどの主要都市では毎週約70件のジェンダー暴力に関する相談が寄せられている。人権団体は先月下旬、政府に対して40日以内に国家的危機を宣言するよう求めていたが、状況の深刻さから予定を前倒しして抗議デモを開始した。
ケニアでは近年、女性殺害(フェミサイド)事件が社会問題となっており、国連なども懸念を示している。活動家らは法整備だけでなく、被害者の保護体制拡充や捜査機関の強化、社会全体の意識改革が不可欠だと訴えている。今回のデモは女性に対する暴力の根絶を求める声が国内で一層高まっていることを象徴するものとなった。
