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米連邦控訴裁、トランスジェンダー兵士の除隊差し止め、新兵に対する制限は認める

問題となっているのは、トランプ大統領が25年1月に署名した大統領令に基づく政策である。
2020年1月4日/ノースカロライナ州の米軍基地(Spc.-Hubert-Delany-III/U.S.-Army/AP通信)

連邦控訴裁判所は6月1日、トランスジェンダーの軍人を一律に除隊させる措置について差し止めを維持する一方、新たな入隊希望者に対する制限は認める判断を示した。トランプ政権が進める軍のトランスジェンダー排除政策を巡る法廷闘争は今後も続く見通しだ。

問題となっているのは、トランプ(Donald Trump)大統領が25年1月に署名した大統領令に基づく政策である。トランプ氏は性別違和(ジェンダー・ディスフォリア)を持つ人々の軍務が部隊の規律や即応性、結束力を損なうと主張し、トランスジェンダーの人々の入隊や継続的な服務を原則として認めない方針を打ち出した。これを受け、国防総省は新規採用の停止や、現役のトランスジェンダー軍人の除隊手続きを進めていた。

しかし、複数の現役軍人や入隊希望者らが政策は憲法上の平等保護原則に反するとして提訴。ワシントンDC連邦地裁は3月、政策の執行を差し止める仮処分を命じていた。

今回の控訴審判決では、判事は政権側の主張を全面的には認めず、現役で勤務しているトランスジェンダー軍人を除隊させる措置については差し止めを維持した。多数意見は、政策がトランスジェンダーという属性を理由に特定の集団を排除するものであり、差別的な性格を持つ可能性が高いと指摘した。

一方で、判事は仮処分の対象を限定し、入隊希望者まで保護する必要はないと判断した。このため、国防総省は当面の間、トランスジェンダーの新規志願者の受け入れを制限できることになる。

判事の一人は反対意見で、軍事政策に関する判断には慎重であるべきだと主張した。軍の構成や運用に関する決定権は大統領や議会に広く認められており、裁判所が専門的な軍事判断に介入すべきではないと指摘している。

トランスジェンダーの軍務を巡っては、トランプ政権1期目にも同様の制限措置が導入されたが、その後バイデン政権が撤廃した。今回の政策は再び厳しい制限を課す内容となっており、人権団体やLGBTQ+支援団体が強く反発している。

最高裁判所はすでに、訴訟が継続している間も政権側が政策を維持できるとの判断を示している。ただし、今回の控訴審判決によって現役軍人の地位保全が一定程度認められた形となり、政策の合憲性を巡る争いは今後上級審で審理される可能性が高い。米軍におけるトランスジェンダー兵士の扱いは、軍事政策だけでなく、性的少数者の権利保護を巡る米国社会の対立を象徴する問題として引き続き注目を集めることになりそうだ。

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