ニジェール軍政、フランスメディア9社を遮断「国家安全保障」を理由に
ニジェールの通信監督機関「国家通信監視機構(ONC)」は9日、フランス24、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)、AFP通信など9媒体の活動停止を発表した。
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アフリカ西部・ニジェールの軍事政権がフランス系メディア9社の放送や配信を停止したことに対し、国際的な報道の自由団体から批判が広がっている。軍政は「国家安全保障」と「公共秩序の維持」を理由に挙げているが、報道機関や人権団体は反対意見や独立報道を封じ込める動きだと反発している。
ニジェールの通信監督機関「国家通信監視機構(ONC)」は9日、フランス24、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)、AFP通信など9媒体の活動停止を発表した。声明では、これらのメディアが「公共秩序を著しく危険にさらす内容を繰り返し放送した」と主張し、「社会的結束や国家機関の安定を守るために必要な措置」と説明した。停止期間は明らかにしていない。
これに対し、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は「捏造された非難に基づく弾圧」と強く批判した。RSFは声明で、ニジェール、マリ、ブルキナファソの軍事政権による「報道の自由を抑圧する協調戦略」が進んでいると指摘し、即時撤回を求めた。
ニジェールでは2023年7月、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍率いる軍部がクーデターを起こし、民主的に選出されたバズム(Mohamed Bazoum)大統領を追放した。以後、軍政は旧宗主国フランスとの関係を断ち切り、駐仏軍の撤退を要求するなど反フランス路線を鮮明にしてきた。一方で、ロシアとの軍事協力を強化し、同じく軍政体制が続くマリ、ブルキナファソと連携を深めている。
サヘル地域では近年、イスラム過激派による襲撃が急増している。軍政側はクーデター後、「治安回復」を掲げて権力を掌握したが、実際には攻撃件数や死者数が増加しているとの指摘も多い。今年1月には首都ニアメの空軍基地が武装勢力に襲撃され、兵士4人が死亡した。これに対し軍政はフランスや周辺国が武装勢力を支援していると主張したが、証拠は示していない。
また、軍政は国内メディアへの圧力も強めている。2023年のクーデター直後にはRFIとフランス24の放送が停止され、2024年には英BBCも放送停止処分を受けた。さらに、SNSやインターネット上で「公共秩序を乱す情報」を拡散した場合に処罰できる法律も施行されている。国連によると、ニジェールでは複数の記者が拘束されており、「国家防衛を損なった」などの罪で起訴されたケースもある。
今回の措置について専門家は、「治安悪化への不満が高まる中、軍政が情報統制を強化している」と分析する。フランス系メディアは西アフリカで広く視聴され、今回の停止措置は地域の情報環境にも大きな影響を与える可能性がある。
